2021 Fiscal Year Annual Research Report
Actuator Molecular Nanowires Exfoliable into Single Chains: Collaborative Research Promotes Activation Molecular Science
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Engine: Design of Autonomous Functions through Energy Conversion |
Project/Area Number |
21H00395
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 良太 東北大学, 理学研究科, 教授 (80453843)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジピリン / 亜鉛錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年10月に研究機関の異動があったため、装置移設準備および研究環境整備に忙殺された。末端配位子と架橋配位子から離散的な多核錯体を調製した。ビス(ジピリナト)亜鉛(II)の安定な錯体モチーフのおかげで、これらの錯体はGPCによって混合物から分離することができた。これらの錯体は、1H NMR、ESI-MS、および吸収・発光スペクトルによって特性評価に成功した。我々の知る限り、十六核錯体は離散的な多核錯体分子の最大の例である。多核錯体の配位子配列の決定により、励起子移動挙動の理論モデルを構築することができた。このモデルは非常に単純なものであったが、シミュレーション結果は、フォトルミネッセンス量子収率の測定結果との整合性を示し、構築したモデルの有用性を検証した。さらに、このシミュレーション手法を前章の配位高分子系に拡張し、ジピリンナノワイヤにおける鎖内ホッピングダイナミクスを解明した。このように、定常フォトルミネッセンス分光法と数値シミュレーションを組み合わせた独自の研究手法は、基礎的なナノサイエンスに新たな戦略と知見を提供するものである。 発動分子ワイヤとしては、光発動部位として分子モーターを採用した系を新たに考案した。現在モデルとなる単核・複核錯体を含め、合成を進めている段階にある。プロトンに応答する発動分子ワイヤは、エチレングリコール鎖のワイヤへの導入反応に困難が生じた。現在打開策を検討中であり、時間を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年10月、前所属機関の京都大学から現所属機関である東北大学へと異動した。コロナ禍ということもあり、異動後の研究環境整備、および前所属機関から現所属機関への研究ノウハウ移転に遅れが生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究環境整備を急ぎ、次いで研究進捗に努める。具体的な研究方策としては、まずは合成・分離が完了しているジピリンナノアレイの光物性評価を行う。得られた光物性データを基に、ジピリンナノアレイ内の励起子ホッピング過程のモデル化を行う。
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Research Products
(3 results)