2021 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging analysis of dynamic molecules using fluorescent probes
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Engine: Design of Autonomous Functions through Energy Conversion |
Project/Area Number |
21H00401
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蓑島 維文 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20600844)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 化学プローブ / 蛍光イメージング / 蛋白質ラベル化 / 1分子イメージング / プロトンポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
蛍光イメージングは発動分子となるタンパク質複合体の機能・動態を直接観察する手法として強力なツールである。本研究では化学に基づいて機能性蛍光プローブをタグとなるタンパク質を介し共有結合、非共有結合で標識する技術を活用し、発動分子となるタンパク質複合体の動態と機能を計測するためのツールを開発する。 1つ目の課題として、外部エネルギー源を駆動力として回転運動により膜を隔ててプロトンを輸送するプロトンポンプの機能をpHプローブによって可視化解析することを目的とした。そのため、タンパク質ラベル化能を有するpH応答性プローブを合成し、細胞内局所にプローブを固定化する手法の開発に取り組んだ。標的とするタンパク質をラベル化するために、タグとして融合発現可能なβ-ラクタマーゼを選択し、βラクタマーゼに結合する阻害剤を基にpH応答性の蛍光色素と連結させたリガンドを設計・合成した。本プローブはβラクタマーゼをタグとして発現させたタンパク質を速やかに標識し、ラベル化後もpH応答性が維持されていることを確認した。実際に細胞内のタンパク質をラベル化後に細胞を固定し、外液のpHを変えたところ低pH時に蛍光シグナルが観察された。 2つ目の課題として、繰り返しタンパク質に標識できる発蛍光プローブを用い、1分子イメージングを利用した発動分子動態の長距離トラッキング解析を行った。タグに可逆に結合し、結合時に蛍光を発するプローブ(発蛍光プローブ)を合成した。細胞イメージングの結果、洗浄操作によってプローブの蛍光シグナルが失われ、再度プローブを添加することで蛍光シグナルが回復したことから、本ラベル化系が可逆的に標識できることが分かった。また、1分子イメージングにより結合・解離の過程を蛍光点滅シグナルとして検出すすることができ、素早く結合・過程が起こっていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的達成に向けたタンパク質ラベル化技術の開発と機能性(pH応答性、タンパク質結合時の発蛍光性、可逆的な結合能)を付与した蛍光プローブの合成は達成しており、今後の発動分子解析ツールとしてイメージングへ応用するための基盤技術を構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
pH応答性タンパク質ラベル化蛍光プローブを用いて、エネルギーが枯渇した(飢餓状態にさらされた)細胞が起こすオートファジーにおけるタンパク質のリソソーム移行についてイメージングを行う。pH応答性プローブで細胞内のタンパク質をラベル化し、栄養分のない緩衝液中で培養することで、低pHのオルガネラであるリソソームへの移行、及びプローブ由来の蛍光シグナルを観察する。 また、繰り返しタンパク質に標識できる蛍光プローブを用いた発動分子のイメージング解析に関しては、前年度1分子イメージングによって得られた結合解離速度を基に、長時間の1分子イメージング、ならびに分子モーターであるキネシンの1分子イメージングを行う。
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