2021 Fiscal Year Annual Research Report
Microscopic analysis of molecular engine switch
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Engine: Design of Autonomous Functions through Energy Conversion |
Project/Area Number |
21H00410
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
曽和 義幸 法政大学, 生命科学部, 教授 (10519440)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | べん毛 / 発動分子 / 回転方向転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象である細菌べん毛モーターは,細菌の表層から突き出ている螺旋状のべん毛繊維をスクリューのように回転させて細菌遊泳の原動力を生み出す発動分子である.モーターの回転力は,固定子MotA/B複合体の細胞質ドメインと回転子リングを構成するFliGタンパク質の間の相互作用によって生まれる.このモーターの大きな特徴の一つに,入力エネルギーであるイオン流の向きを変えることなく,回転力の発生する向きを転換できるところにある.そこで,遺伝子改変により反時計方向または時計方向に回転が固定されるモーターについて,回転子FliGと固定子MotAの相互作用を解析した.本年度は,光架橋法と回転計測を組み合わせた系で,FliG側,MotA側から分子間相互作用の検出をおこなった.具体的には,回転子FliGの270-300番目の残基およびMotA90-100について1アミノ酸ずつ非天然型アミノ酸pBPAに置換したモーターを作製した.これらの変異体について,モーター回転を記録しながら紫外光照射した結果,分子間架橋が生じるかどうかを検出することで,モーター回転を生み出す部位を探索した.さらに,光架橋が効率よく形成される残基に注目して,架橋形成後の固定子の振る舞いについても解析した.GFPを融合させた固定子とpBPAを含むFliGとの間で光架橋を形成させ,GFPの輝度から固定子の振る舞いを見積もった.その結果,固定子が架橋を形成後,モーターの固定子としての役割の一つであるペプチドグリカン層との結合が外れ,回転子と一緒に回転できることを示唆する結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の計画通り分子間相互作用の解析が進んでいる.また,固定子の振る舞いについて新たな知見を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き分子間相互作用の解析を進めるとともに,固定子のダイナミクスについての研究も新たな研究として展開したい.
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