2021 Fiscal Year Annual Research Report
Towards understanding the singularity of brain physiology and evolution with focus on REM sleep-regulating cells
Publicly Offered Research
Project Area | Singularity biology |
Project/Area Number |
21H00414
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
林 悠 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 客員教授 (40525812)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、脳幹橋被蓋野の細胞を遺伝子発現パターンに基づいてプロファイリングしてきた。このアプローチにより、脳幹の橋被蓋野に散在する特定の細胞に関して、①人為的な活性化によってレム睡眠を誘導できること、②人為的な機能阻害によってレム睡眠を減少させられることを明らかにした。本年度はまず、これらの細胞が自然な睡眠中にどのような活動パターンを示すかを明らかにすることを目指した。そこで、GCaMP6を用いたカルシウムイメージングおよび光遺伝学とガラス電極を組み合わせたシングルユニット記録という2種類のアプローチをとった。その結果、レム睡眠への移行の前後でこれらのニューロンの活動がどのように増加・減少するかが明らかとなった。また、レム睡眠は生誕直後に非常に多く、その後は急激に減少する。しかしながら、幼少期にレム睡眠を阻害することは困難であり、レム睡眠の脳発達における役割は不明であった。そこで、レム睡眠制御細胞を新生児期に機能阻害する方法の開発に取り組んだ。レム睡眠制御細胞の機能を阻害できるウイルスベクターを生後1日以内に脳幹に注入し、その後にレム睡眠への影響を脳波電極で計測した。その結果、レム睡眠が減少した個体を確認することができた。哺乳類以外の脊椎動物種では、鳥類と爬虫類にレム睡眠とノンレム睡眠があることが、神経活動や眼球運動の計測から示唆されている。一方、両生類・硬骨魚については、これまで明確にレム睡眠があるかは定かでない。本研究では、レム睡眠制御細胞の誕生という観点から、レム睡眠の誕生の経緯について研究する。我々が同定したレム睡眠制御細胞が、どの脊椎動物種まで保存されているかを明らかにするために、鳥類、爬虫類、両生類等の動物種の脳のhistologyのプロトコルの確立および脳幹のアトラスの作製を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画通りに進んでいるため、このように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、当初の研究計画に則り進める。
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Research Products
(3 results)