2021 Fiscal Year Annual Research Report
あまのじゃく細胞から紐解く藻類走光性の生理的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Singularity biology |
Project/Area Number |
21H00420
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
若林 憲一 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80420248)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クラミドモナス / 緑藻 / 走光性 / レドックス / ROS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、モデル単細胞緑藻クラミドモナスを用いて、①約1時間ごとに起きる走光性符号変動の分子メカニズムの解明と、②野生株と異なる符号の走光性を示す変異株の原因遺伝子を探ることを2本の柱として行うものである。 2021年度は、まず①について、この現象が細胞内ROS変動に由来することを明らかにした。ROS消去を行うと変動が生じない。また、この変動に新規タンパク質合成を必要とすることがわかった。これには抗酸化系タンパク質の発現の寄与が見込まれるため、現在それについて検証している。さらに、この符号変動が集団行動である(つまり、一部の細胞の行動が他の細胞の行動に影響を与えている)可能性を見出した。これには走化性が寄与している可能性がある。これについては新たに走化性の検証実験の系を組み立てて詳細な実験を行っている。 ②について、2つの「常に正」の株についてNGS解析を行ったが、残念ながら原因遺伝子を絞り込むことができなかった。一方、3つの「常に負」の株についてはすべて原因遺伝子を明らかにできた。現在機能解析実験の手法を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの柱の実験それぞれについて期待していた進捗を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①については細胞内のROSモニタリングなどによって走光性符号と細胞内ROS量変動の連関をより定量的に明らかにする。②については「常に正」の株の遺伝子解析をひとまず保留にし、明らかになった「常に負」の株の原因遺伝子機能解析を急ぐ。
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Research Products
(26 results)