2022 Fiscal Year Annual Research Report
2つの生体内刺激の同時検出を可能にする分子プローブの創製とがん幹細胞の悪性度評価
Publicly Offered Research
Project Area | Singularity biology |
Project/Area Number |
21H00424
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三木 康嗣 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60422979)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 酵素 / プローブ / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、2022年度において(1) がん幹細胞と正常細胞の幹細胞を区別するためのdual応答性分子プローブの開発、(2) ピリジルイソキノリン骨格をもつdual応答性分子プローブの開発、の2点に取り組んだ。 2021年度において、がん細胞群中に含まれる未分化細胞であるがん幹細胞で過剰発現するアルデヒド脱水素酵素1(ALDH1)およびがん細胞で過剰発現するβ-ガラクトシダーゼの両方に応答した場合のみ発光する分子プローブCHO_βgalを開発した。2022年度において、我々が以前開発したALDH1応答性プローブであるC5S-Aを用いがん細胞、正常細胞を染色したところ、どちらの場合も細胞群中に含まれる幹細胞が可視化された。正常細胞にもALDH1を過剰発現する幹細胞が含まれるためである。一方、開発した分子プローブCHO_βgalを作用させたところ、正常細胞では発光する細胞は存在しなかったが、がん細胞では幹細胞のみが発光することを確認した。マウスを用いる実験の結果、in vivoおよびex vivoにおいてもがん幹細胞の多寡を識別できることを明らかにした。これらの結果は、開発したCHO_βgalが評価したいサンプルが正常組織を含むがん組織であったとしてもがん幹細胞の多寡を評価できる可能性を示唆している。本成果をまとめ、特許申請中である。 2022年度において、ピリジルイソキノリン骨格を含むdual応答性分子プローブの開発を進めた。生体内の活性酸素種とカルボキシエステラーゼ活性を同時に検出可能な分子プローブB-PiQ-Acを創製した。細胞内の過酸化水素およびカルボキシエステラーゼ活性に応答し発光する機能を有することを確認した。新たなdual応答性分子プローブの骨格として今後の展開が期待される。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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