2021 Fiscal Year Annual Research Report
幼少期の運動習慣が中高齢期の認知機能を維持・増進させる神経機構とその個人差の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Lifelong sciences: Reconceptualization of development and aging in the super aging society |
Project/Area Number |
21H05332
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石原 暢 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (10801631)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 身体活動 / 体力 / 体格 / 認知機能 / 磁気共鳴画像法 / 機能的近赤外分光分析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼少期の習慣的運動は認知機能の発達を促し、その効果は中高齢期にまで継続されることが示されている。しかし、その基盤となる神経機構と個人差は検討されておらず、どのような場合に幼少期の習慣的運動が中高齢期の認知機能の維持・増進に貢献するのかは未解明である。本研究は、子どもを対象とした2年間の前向き縦断研究と中高齢者を対象とした後ろ向き横断研究により、幼少期の習慣的運動が中高齢期の認知機能を維持・増進させる背景にある脳の構造・機能的変化およびその個人差を明らかにすることを目的としている。 令和3年度には、Adolescent Brain Cognitive Development Studyのデータベースに登録されている4576名の子ども(9~11歳)から得られた2年間の縦断データを分析した。その結果、身体活動量が多く、体重が適正である(BMIが低い)ことは、認知機能の向上と関係していた。それらの関係を媒介する脳画像データ(皮質厚、面積、体積、溝の深さ、灰白質と白質のコントラスト)を調べた結果、灰白質と白質のコントラストがBMIと認知機能の関係を媒介していた。しかし、その媒介効果は非常に小かったことから、子どもの習慣的運動と認知機能の関係を媒介する要因を調べる上で、他の脳指標を用いる必要があることが示された。 また、中高齢者を対象とした後ろ向き横断研究の結果、幼少期の運動経験と認知機能の関係と最も強く関わる脳指標は、安静時の大脳半球間の機能的結合であることが示された。この結果をもとに、機能的近赤外分光分析法を用いて子どもの安静時の大脳半球間の機能的結合を評価することを新たに計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度はAdolescent Brain Cognitive Development Studyのデータベースからデータをダウンロードし、分析まで行うことを計画していた。分析が予定以上に順調に進み、論文執筆、投稿まで進めることができた。このような理由から、当初の計画以上に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度には、子どもを対象とした追加実験(機能的近赤外分光分析法を用いた大脳半球間機能的結合の評価)を行う予定である。加えて、中高齢者を対象とした後ろ向き横断研究の結果を論文にまとめ、投稿を予定している。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] Playing in online eSport tournament enhances psychological vigor with neurohumoral responses to winning or losing2021
Author(s)
Matsui, T., Monma, T., Sagayama, H., Hyodo, K., Shima, T., Ishihara, T., Fujii, N., & Takagi, H.
Organizer
44th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society
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[Presentation] Development of inequity aversion: A cross sectional study from adolescence to adulthood2021
Author(s)
Shou, Q., Miyazaki, A., Yamada, J., Tanaka, H., Ishihara, T., Fujii, T., Takahashi, M., Okada, H., Matsuda, T., & Takagishi, H.
Organizer
The 32nd International Congress of Psychology
Int'l Joint Research
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[Presentation] Developmental changes in trust and reciprocity: Cross sectional study from adolescence to adulthood2021
Author(s)
Yamada, J., Miyazaki, A., Shou, Q., Tanaka, H., Ishihara, T., Fujii, T., Takahashi, M., Okada, H., Matsuda, T., & Takagishi, H.
Organizer
The 32nd International Congress of Psychology
Int'l Joint Research