2021 Fiscal Year Annual Research Report
動的エキシトン制御を志向した新奇箱型電子受容体の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic Exciton: Emerging Science and Innovation |
Project/Area Number |
21H05385
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 みどり 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (50807055)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | dynamic exiton |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては,ペルフルオロキュバンをアクセプターとして利用した動的エキシトン制御を最終的な目標としている。 箱型分子であるキュバンが完全にフッ素化されたペルフルオロキュバンは,箱の内部に集合した低準位のσ*軌道に電子を受容すると予測されているが,合成は達成されていなかった。申請者は科研費(若手研究)課題としてペルフルオロキュバンの合成に取り組み,世界で初めてその合成に成功した。ペルフルオロキュバンがπ共役系に結合すれば,π-σ*遷移が起こり,これまでにはない励起状態を生成すると考えられる。本研究ではペルフルオロキュバンを電子受容体として用いた動的エキシトン制御を最終的な目標とし,π-σ*遷移の実証および2汎用的なペルフルオロキュバン導入法の確立を行う。 当該年度においては,ペルフルオロキュバンと類似したカゴ型構造であるペルフルオロアダマンタンを導入した分子の合成をおこなった。1H-ペルフルオロアダマンタンの脱プロトンと続く芳香属求核置換反応によって,電子不足な芳香環にペルフルオロアダマンタン構造を導入する手法を確立した。これらの分子について文工学的測定を行なった。また,この手法を用いることで,電子受容体としての応用を志向した分子を合成できた。この分子については現在性能を調査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定ではペルフルオロキュバンを用いる予定であったが,合成の都合より,まずはペルフルオロアダマンタンを用いて検討することとした。それ以外はおおむね予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度において確立した全フッ素化カゴ状化合物を用いて,機能性分子の開発を行う。分子の機能評価については,当学術変革領域の他の研究者と積極的に共同研究を行う。
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