2021 Fiscal Year Annual Research Report
塗布デバイスを志向した動的二重項エキシトン材料創生
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic Exciton: Emerging Science and Innovation |
Project/Area Number |
21H05399
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 建 (アルブレヒト建) 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50599561)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 有機安定ラジカル / 有機EL / 二重項発光 / カルバゾール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では基底状態も励起状態も二重項である発光性ラジカルとして近年注目を集めているトリス(トリクロロフェニル)メチル(TTM)ラジカルをアクセプターとして、種々のドナー骨格を導入した塗布型デバイスに応用可能な新規材料を開発する。特に、材料自身の安定性・発光効率・発光波長に焦点を当てて構造-機能相関を解明する。学術変革領域研究としては領域内の共同研究を通じて二重項エキシトンのダイナミクスや設計指針について従来型の一重項・三重項エキシトンとの包括的理解を進める。 本年度は塗布型材料に適した大きな分子量を持つカルバゾールドナーを結合したTTMラジカルを開発して構造-機能相関を解明した。カルバゾールドナーへのフェニル基の導入が光安定性の向上につながることを見出した。カルバゾールドナーへのハロゲン分子の導入も行い、一般的な蛍光分子では重原子効果が働いて発光量子収率が低下するのに対して発光性ラジカルにおいてはほとんど変化が見られないという二重項発光分子に特有の挙動を示すことも明らかとした。 学術変革領域内で多くの研究がなされている熱活性化遅延蛍光(TADF)分子についても嵩高い末端置換基を持つ新規な塗布型材料を開発して物性評価を行った。物性評価にあたっては領域内の東京理科大学 中山教授とも連携して共著論文として出版した。 この他に学術変革領域内でも2名の研究者への材料の提供を行い共同研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおりに新規なラジカル発光分子の合成と物性評価に成功している。学術変革領域内での共同研究も複数着手していることから概ね順調に進展しているものと評価出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目は物性評価と並行して有機EL素子発光層への展開を行う。また、共同研究も深化させることで論文出版に至るように研究を推進する。
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