2021 Fiscal Year Annual Research Report
CT相互作用を環状配列した動的エキシトンの創成
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic Exciton: Emerging Science and Innovation |
Project/Area Number |
21H05404
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
湯浅 順平 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 准教授 (00508054)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 動的エキシトン / 環状構造 / 亜鉛イオン / 超分子 / 光化学 / 分子認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はドナー/アクセプター(D/A)相互作用を環状配列した動的エキシトンを創成することである。架橋配位部位を導入したドナー分子(D)とアクセプター分子(A)を亜鉛イオン(Zn2+)によって架橋することで、D/A相互作用を複数もつ環状構造を構築する。光励起によって生成するエキシトンが環状構造内でどのような動的性をもつかを過渡吸収スペクトル、ESR等の分光法により直接観察する。この目的のため、今年度は以下の研究をおこなった。申請者のこれまでの先行研究(J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 17653-17661)をもとに、新規、ドナー配位子およびアクセプター配位子を合成した。合成した新規配位子は1H NMRおよび精密質量分析により、その生成を確認した。また、ドナー配位子についてはX線結晶構造解析により、その絶対配置を明らかにしている。このドナー配位子およびアクセプター配位子に対してZn2+イオンを滴定し、1H NMRを測定することでドナー配位子およびアクセプター配位子がZn2+イオンによって架橋された新規構造体の構築を確認した。この新規構造体が円二色性スペクトル、1H NMR、質量分析等の複数の分光測定により得られたデータを複合的に解析することのより、ドナー/アクセプター(D/A)相互作用を環状配列した構造であることをほぼ明らかにすることができた。さらに、密度半関数(DFT)計算により、理論的な構造モデルとも照らし合わせ、この新規ドナー/アクセプター環状構造が熱力学的に妥当な超分子構造であることを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1年目は、申請者のこれまでの先行研究(J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 17653-17661)をもとに、新規ドナー配位子およびアクセプター配位子を合成した。今年度の研究において、このドナー配位子およびアクセプター配位子に対してZn2+イオンを作用させると、ドナー配位子およびアクセプター配位子がZn2+イオンによって架橋された新規構造体が形成されることを明らかにしている。また、この新規構造体が円二色性スペクトル、1H NMR、質量分析等の複数の分光測定により得られたデータを複合的に解析することのより、ドナー/アクセプター(D/A)相互作用を環状配列した構造であることをほぼ明らかにすることができた。さらに、密度半関数(DFT)計算により、理論的な構造モデルとも照らし合わせ、この新規ドナー/アクセプター環状構造が熱力学的に妥当な超分子構造であることを明らかにすることができた。上記の理由により、本研究は概ね順調に進行していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまでの先行研究(J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 17653-17661)をもとに、新規ドナー配位子およびアクセプター配位子を合成し、このこのドナー配位子およびアクセプター配位子に対してZn2+イオンを作用させると、ドナー配位子およびアクセプター配位子がZn2+イオンによって架橋された新規構造体が形成されることを明らかにしている。また、この新規構造体がドナー/アクセプター(D/A)相互作用を環状配列した構造であることをほぼ明らかにしている。この成果をもとに、今後の研究の推進方策として、環状配列構造を単離、結晶化しX線結晶構造解析によってその絶対配置を確定することを試みる。さらに、ドナー/アクセプター(D/A)相互作用を環状配列した構造が、その光励起状態においてどのような電子配置を形成するかについて、過渡吸収スペクトル分光等の手法により明らかにするととともに、時間依存のDFT計算(TD-DFT)により得られた実験データの妥当性について検証する。
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Research Products
(4 results)