2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration on condensed conjugation systems based on substituent-free nitrogen-incorporated nanographenes
Publicly Offered Research
Project Area | Condensed Conjugation Molecular Physics and Chemistry: Revisiting "Electronic Conjugation" Leading to Innovative Physical Properties of Molecular Materials |
Project/Area Number |
21H05480
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 隆行 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20705446)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | ナノグラフェン / ヘリセン / サーキュレン / キラリティ / 芳香族性 / 円二色性 / 水素結合 / 置換基効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに展開してきた置換基フリーアザ[n]サーキュレンの研究から展開し、アザヘリセン類の系統的合成とその新規物性の開拓をおこなった。ピロールとチオフェンから成る環状六量体の酸化的縮環反応で得られたクローズドヘテロヘリセンは、超原子価ヨウ素試薬による酸化反応により二量化を起こし、二層構造のヘリセンが得られることがわかった。また、この分子を光励起することで元のヘリセンへと戻る反応も見出した。その様子をNMRスペクトルや紫外可視吸収・蛍光スペクトルで解析し、反応機構についての知見を得た。また、二層のヘリセン間における分子間相互作用をnoncovalent interactionプロットにより解析し、高密度に集積した構造であることを示唆する結果を得た。 これまで得た知見から、溶解性と安定性を両立した置換基フリーアザヘリセンが得られることがわかったため、アザヘリセンの長さが最長のものの合成に挑戦した。カルボヘリセンで最長とされている[16]ヘリセンを越える、[17]アザヘリセンおよび[19]アザヘリセンの合成を達成し、その構造をX線結晶構造解析により明らかにした。これらのヘリセンは三層にわたるらせん構造を有し、パイ平面が層間で接近している様子が見られた。その光物性や電気化学特性についても系統的に明らかにした。 本研究成果は、置換基フリーの戦略を用いてこれまでに立体被覆が必須だった新規有機構造体の合成が可能であることを示し、置換基に邪魔されない本質的な物性が解析可能であることを示している。アザヘリセンの蛍光スペクトルの圧力応答性についても検討しており、らせん構造の収縮によってパイ共役系がどういった摂動を受けるか実験的に明らかにすることにも取り組んでいる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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