2021 Fiscal Year Annual Research Report
超秩序構造が発現する原子ダイナミクスの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Progressive condensed matter physics inspired by hyper-ordered structures |
Project/Area Number |
21H05549
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大窪 貴洋 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50534541)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 第一原理分子動力学計算 / 酸化物ガラス / イオン伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
固体中のイオン伝導は、欠陥や界面、結晶中への元素ドープ(超秩序構造)で特性が大きく変化することが知られており、超秩序構造とイオンダイナミクスの現象解明が求められている。本年度は、分子シミュレーションを主とし、硫化物系固体電解質の古典分子動力学計算(MD)のための力場開発と界面構造への応用を行った。また、元素置換を一部行った硫化物固体電解質の合成を行い、構造や伝導特性の評価を行った。アルミノシリケートガラスの古典MDによる引張シミュレーションおよび第一原理MDによる構造モデリングを行った。アルミノシリケートガラスのシミュレーションでは、実材料で確認されている相分離を考慮して、組成の異なるガラスを接着させたガラスを作成し引張シミュレーションを行った。引張によりヤング率や最大応力とひずみを評価した。今後、引張りにより生じる亀裂の進展や、破断の起点となる構造について詳細な解析を行う予定である。第一原理MDによる構造モデリングでは、約400原子かなる溶融ガラスを作成し15 K/psで冷却することで、300 Kでのガラス構造を得た。今後、構造因子やNMRデータを併用して詳細な構造解析を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作成した力場で、ガラスと結晶(合計8種類)のシミュレーションを行ったところ、構造と導電率、活性化エネルギーをよく再現することを確認した。開発した力場に基づいて、Li7P3S11と70Li2S-30P2S5からなるガラスセラミックスのシミュレーションを行った。網羅的にガラス-結晶界面を変えた構造作成し、界面エネルギーと導電率を計算した。その結果、界面エネルギーと導電率に正の相関が確認された。また、界面付近ではガラス構造が結晶のようにやや秩序化する構造変化が確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
アルミノシリケートガラスのシミュレーションでは、実材料で確認されている相分離を考慮して、組成の異なるガラスを接着させたガラスを作成し引張シミュレーションを行った。引今後、引張りにより生じる亀裂の進展や、破断の起点となる構造について詳細な解析を行う予定である。第一原理MDによる構造モデリングでは、約400原子かなる溶融ガラスを作成し15 K/psで冷却することで、300 Kでのガラス構造を得た。今後、構造因子やNMRデータを併用して詳細な構造解析を実施する。
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