2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and control of structural defects in metal phosphonate MOF-related compounds
Publicly Offered Research
| Project Area | Progressive condensed matter physics inspired by hyper-ordered structures |
|---|
| Project/Area Number |
21H05553
|
|---|
| Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
|---|
Principal Investigator |
前田 和之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60343159)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
|
| Keywords | 超秩序構造 / MOF類縁化合物 / 金属ホスホネート / 構造欠陥 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
近年、規則的な細孔構造を有する無機有機ハイブリッド多孔体(MOF)の物性や応用において構造欠陥の重要性が認識されるようになったが、金属ホスホネート系MOFでは構造欠陥が生じやすいにも関わらず、ほとんどその詳細は解明されていない。本研究では、こうしたMOFに異種元素を導入することにより様々な「超秩序構造」を形成させ、それらを介した構造欠陥の解明とともに、物性制御方法の確立を目的とする。構造欠陥の意図的な導入や制御が可能になれば、材料の安定性向上だけでなく、構造欠陥を活性点とする固体触媒や物性発現等への展開が期待される。本研究では、研究代表者らが開発した2種の金属ホスホネートMOF類縁化合物について、母体化合物の骨格組成に含まれない異種元素の導入により様々な「超秩序構造」を形成させ、それらを介して構造欠陥を解明するとともに、物性制御方法を確立することを目的とする。
この中で2021年度は、アルミノメチルホスホネート(AlMepO)系については、異種元素・分子種のドーピングにより欠陥構造を誘起させた単結晶試料の作成条件の検討を中心に取り組み、Gaを含有したAlMepO-β針状単結晶試料の作成に成功した。まだ、サイズまた、金属ベンゼントリホスホネート(MBP-1)系については、蛍光X線ホログラフィー測定を検討できるような単結晶は得られなかったものの、MnBP-1を中心に合成時のpH変化により金属サイト欠損を制御できることを見出すとともに、ZnBP-1を母体化合物として複数金属種を含む同型構造の試料が得られることも見出した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は採択通知後実質的に半年以下の実施期間であり、SPring-8等を活用した超秩序構造の解明のための準備期間と位置づけられる。その間、主にMBP-1系を中心に材料合成面で着実な成果が得られており、概ね順調な進展であると判断している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本研究では、A) AlMepO多形における構造欠陥の解明、及びドーピング骨格置換の検討と超秩序構造の解明、B) MBP-1における構造欠陥の解明と超秩序構造の制御、の2つの課題に取り組む。今後この中で、A)については、2021年度にGa含有AlMepO-βの単結晶合成に成功したもののまだ結晶サイズが小さいことから、より大きな単結晶が得られる合成条件を探索するとともに、連携研究により蛍光X線ホログラフィーの測定の可能性について検討する。また、B)については、価数の同じもしくは異なる複数金属種を混合した試料を作成し、構造、組成、及び電気化学特性に与える影響を調査する。さらに連携研究によりPDF解析を行い、複数金属種の局所配置に関する情報を得て、超秩序構造形成に関する知見を得る。
|
