2021 Fiscal Year Annual Research Report
グリアーニューロン連関のin vivo多重イメージングによるデコーディング
Publicly Offered Research
Project Area | Glia decoding: deciphering information critical for brain-body interactions |
Project/Area Number |
21H05621
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
真仁田 聡 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80584135)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 広域頭蓋骨窓 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の目標は、グリア細胞のマクロカルシウムイメージング法を確立し、前肢到達課題実施中の広範囲な大脳皮質におけるアストロサイトの活動を観察することである。大脳皮質の広範囲にカルシウムセンサーを発現させるために、アデノ随伴ウイルス(AAV)によるグリア細胞特異的発現法を試みた。通常のAAV注入では広範囲に発現させるには複数箇所に注入しなければならない。そこで、カイコ繭タンパクであるフィブロインを用いたAAV塗布法を用いた。これにより野生型マウスの大脳皮質において約6mm x 3mmの範囲にカルシウムセンサーを発現できた。さらに、市販の食品ラップ,透明シリコーンプラグ,カバーガラスからなる大型頭蓋窓の簡便な作製方法を開発した。同じマウスでマクロ・二光子のイメージング技術を用いたマルチスケール解析を行うためには、大きな頭蓋窓を作ることが重要である。そのためには、頭蓋骨を大きく切除し、露出した大脳皮質を透明な材料で覆う必要がある。この方法で作られた窓の大きさは約6mm × 3mmであるにもかかわらず、激しい脳振動は観察されなかった。また、1ヶ月以上、脳表面の状態が悪くなることはなかった。カルシウムセンサーのひとつであるGCaMP6fをアストロサイトに特異的に発現させたマウスの広視野イメージングでは、数ミリの範囲で同期した応答が見られた。同じマウスの2光子イメージングでは、個々のアストロサイトで数秒間に渡って顕著なカルシウム応答が確認された。本手法は、大きな頭蓋窓を作ることができる効率的で簡便・低価格な方法であり、行動時の神経とグリアの動態とその相互作用を巨視的、微視的に調べることが容易となる。また、頭部固定下マウスによる到達・把持運動システムを開発し、論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りグリア細胞のマクロカルシウムイメージング法を確立し、運動中の広範囲な大脳皮質におけるアストロサイトの活動を観察した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り研究をすすめる。
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Research Products
(1 results)