2021 Fiscal Year Annual Research Report
glia decoding in the habenula for stress susceptibility
Publicly Offered Research
Project Area | Glia decoding: deciphering information critical for brain-body interactions |
Project/Area Number |
21H05628
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
相澤 秀紀 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (80391837)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 手綱 / グリア / 誕生日 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、モノアミン制御領域である手綱核を対象とした神経ーグリア相関を調べることで、脳局所のグリア機能異常がストレス感受性など動物の生存戦略に果たす役割を明らかにすることである。この問題解決にあたり、本研究では手綱核のグリア細胞を特異的に遺伝子改変する技術を開発する。その技術応用により、ストレス応答に関わる手綱核グリアの情報の読み出し、および手綱核グリアの機能操作が動物行動に与える影響を明らかにする。2021年度は、遺伝子改変マウスDbx1-CreERT2系統を用いた時期特異的遺伝子組換え法を用いて、手綱核神経細胞の興奮性制御にあたるアストロサイトの標識に成功した。特に、アストロサイトの機能動態を反映する細胞内カルシウム濃度を蛍光信号として読み出すことを可能にするGCaMP発現マウスを作成した。さらにこれらのグリア細胞の活動測定を可能にするin vitro実験系および内視鏡型顕微鏡の開発を行い、グリア機能の読み出し技術を確立した。一方、光遺伝学プローブを手綱核アストロサイトで発現するマウスも作成し、その脱分極が周囲の神経細胞の過剰活性化を引き起こすことも明らかにした。 また、うつ病様行動異常を示すマウスのセロトニン神経細胞および細胞外セロトニンの動態を明らかにしBrain Communicationsへ、遺伝子改変の影響を行動解析により効果的に調べるため独自のホームケージ活動測定機器を開発し、eNeuroへそれぞれ論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、当初1)Dbx1-CreERT2; Rosa-ChR2系統に遺伝子発現誘導を行うタモキシフェンを時期特異的に投与して、手綱核アストロサイトに光遺伝学プローブを発現させる。2)光ファイバーを慢性留置したマウスを作成し、光刺激に対する組織の応答を遺伝子発現解析及び行動試験により評価する、の2項目を計画していた。これらの2項目について2021年度内に概ね達成することができ、2022年度の実験計画へ向けた準備は万全といえるため、進捗状況は順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に確立した遺伝子改変マウスおよび刺激・測定実験系を用いて、手綱核グリア細胞の機能読み出しおよびその光遺伝学操作によるストレス応答の行動学的解析を行う。具体的には、手綱核急性スライス標本におけるアストロサイト活動の読み出しをGCaMP信号を中心に行い、薬理学的な特性を調べる。また、ファイバーフォトメトリおよび内視鏡型顕微鏡により観察を行い、in vitroの実験結果とin vivoにおける細胞活動の類似性を明らかにする。一方、光ファイバーを両側手綱核へ慢性的に留置し、手綱核アストロサイトの光遺伝学刺激に対する行動変容を解析する。
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