2021 Fiscal Year Annual Research Report
窒素栄養欠乏に応答した植物ステージゲート制御機構の全容解明
Publicly Offered Research
Project Area | Multi-layered regulatory system of plant resilience under fluctuating environment |
Project/Area Number |
21H05644
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 長緒 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (50609724)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 環境応答 / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,植物が異なる時間スケールの栄養欠乏ストレスに対して誘導する応答について,その制御機構の解明を目指している。最近申請者らは,栄養素の中でも特に重要な窒素に着目し,窒素応答性花成制御を担う鍵因子として転写因子FBH4および上流キナーゼSnRK1を同定し,長年謎であった窒素欠乏による花成早期化の分子機構の一端を明らかにした。本研究では,こうした鍵因子の機能に着目し,植物が細胞内における短期的な栄養欠乏応答から長期的・個体レベルでの応答段階へと移行する際の分子スイッチ機構について解明を目指す。主に,下記3研究課題に関する詳細な解析を効率的に実施する。 研究課題 1)短期的および長期的な窒素欠乏に応じたFBH4機能変換機構の解析 研究課題 2) 窒素応答性成長相転換を誘導する上流シグナル機構の解析 研究課題 3)成長相転換制御における光周期シグナルと窒素シグナル統合機構の解析 当該年度は,RNA-seq等のグローバルな遺伝子発現変動解析および一過的レポーターアッセイ等の解析から,転写因子FBH4標的遺伝子について情報を得た。また,IP-MS解析を実施,FBH4相互作用因子候補を得た。これらについて,窒素欠乏条件に応じたより詳しい解析を実施する予定である。加えて,上流キナーゼSnRK1の活性変動を詳しく解析する実験系を構築した。また,日周に応じた窒素欠乏応答遺伝子発現解析から,光周期シグナルと窒素シグナルのクロストークに関する知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を構成する各実験課題に関して,いずれも進捗が見られた。 特に,窒素欠乏条件においてFBH4が制御する遺伝子について,グローバルな視点および個別の定量的解析で重要な知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた研究成果をもとに,より詳しい解析を進めていく。短期的および長期的な窒素欠乏に応じたFBH4標的遺伝子の変動やその制御に関わる翻訳後修飾機構について詳しく解析する。また,その上流で窒素欠乏を感受する機構についてSnRK1活性に注目し,解明する。光周期シグナルと窒素シグナルのクロストークについても,その生理的意義について理解を深める。
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Research Products
(10 results)