2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the adaptation mechanism of plants to heterogeneous nutrient environments using a three-dimensional nutrient management device
Publicly Offered Research
Project Area | Multi-layered regulatory system of plant resilience under fluctuating environment |
Project/Area Number |
21H05653
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
反田 直之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10816292)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 植物栄養学 / 不均一環境 / 栽培装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然拡散による不均一栄養分布の消失を回避しつつ、根系の観察が可能な栽培デバイスを実現するため、ポリアクリル酸ナトリウムを支持体とする植物栽培デバイスの作成を行った。ポリアクリル酸ナトリウム(吸水性ポリマー)製の球体を非接触で3次元的に保持する手法を複数検討し、無色透明のアクリル製パイプを骨格とする構造体によってポリアクリル酸ナトリウム製球体を保持するデバイス骨格を作成した。また空間的に組成の異なる水耕液をポリマーに持続的に投与するための仕組みとして点滴灌漑機構を検討し、実装と改良を繰り返すことで、デバイス作成の効率化と植物栽培の利便性を向上させた。作成した機構の不均一栄養環境維持における性能評価として、栽培空間を複数区画に分割し、それぞれの区画に色素標識した複数の水耕液を投与して各水耕液の分布を観察することで、意図した不均一栄養分布が実現されていることを検証した。これらの栽培デバイスの開発・検証を経て、任意の不均一栄養環境を維持し、植物の根系の非破壊的な観察を可能にする植物栽培デバイスが完成した。作成した栽培デバイスを用いて不均一栄養環境下で植物を栽培し、その根系の特徴を非破壊的に定量する手法の開発を行った。栽培デバイスを用いて2区画の異なる培地組成にまたがるように1個体の野生型イネを栽培し、個体が不均一な栄養環境にさらされた場合に形成する根系構造をカメラにより撮影した。取得画像に対して画像処理を行うことで根を検出し、各栄養区画における根の生育を定量的に評価する手法の開発を行った。これによって、植物を不均一な栄養環境下で栽培し、根系構造の変化を非破壊的に観察・定量する方法が確立された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定以上にデバイスの試作段階に時間を要したが、最終的に当初の目的を達するデバイスの開発が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
不均一栄養環境を維持しつつ植物を栽培し、非破壊的な根系の観察を可能にする栽培デバイスが確立されたことで、様々な栄養について刺激が不均一に分布する環境への根系の適応を定量的に評価することが可能になった。今後は不均一栄養環境かにおいて根系構造のパラメータが変化する変異株の解析を行うことで、不均一な栄養環境に対する植物のレジリエンスのメカニズムを解明していく。また作物を含む様々な植物種への適用も検討している。
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Research Products
(3 results)