2021 Fiscal Year Annual Research Report
Plant resilience under fluctuating environment driven by stomatal chloroplast
Publicly Offered Research
Project Area | Multi-layered regulatory system of plant resilience under fluctuating environment |
Project/Area Number |
21H05667
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
祢宜 淳太郎 九州大学, 理学研究院, 准教授 (70529099)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 気孔 / 葉緑体 / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
気孔を構成する孔辺細胞は、植物独自のオルガネラである葉緑体を有しているが、その葉緑体 (Guard Cell Chloroplasts: GCCs) は葉肉細胞の葉緑体 (Mesophyll Cell Chloroplasts: MCCs) と比較してチラコイド膜が未発達であり、デンプンを高蓄積するという特徴を持つ。我々はGCCsが光やCO2などの環境情報感知に必須であり、気孔閉鎖を駆動するアニオンチャネルの活性制御に関与することを明らにしている (Negi et al. 2018)。しかしながら、GCCsを介した環境情報処理の分子メカニズムは不明である。そこで本研究では、GCCs及びMCCsの葉緑体タンパク質を網羅的に比較解析し、GCCs特異的に発現する機能因子を探索した。新たな試みとして、GCCsを特異的にYFP蛍光ラベルしたシロイヌナズナの形質転換体を作成し、その植物から単離した孔辺細胞プロトプラストを破砕し、蛍光シグナルとサイズを指標にしたセルソーティングによって無傷GCCsを分離した。この新たな手法により高純度かつ大量の無傷GCCsを単離することが可能となった。ここで得られた無傷GCCsと無傷MCCsとのプロテオーム比較解析を行い、GCCsで強く発現するタンパク質を選抜した。GCCで高発現している213タンパク質に絞りGene Ontology解析を行った結果、酸化還元反応、脂質及び糖代謝、リン酸化に関与するタンパク質が多く含まれることが判明した。続いて、GCCsで高発現を示したタンパク質をコードする遺伝子の機能欠損変異体の中から、気孔応答性が低下した複数の変異体を単離した。これらの結果は、気孔開閉を制御する新規GCCタンパク質が存在することを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気孔葉緑体で高発現しているタンパク質の中から、気孔開閉制御に関与する新規タンパク質を複数同定することができ、気孔葉緑体の環境感知機能に迫る重要な手がかりが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
GCCで高発現するタンパク質は200以上存在するため、さらなる絞り込みが必要である。そこで、リン酸化プロテオーム解析をおこない、環境変化に応答してリン酸化レベルが変化するGCCタンパク質にターゲットを絞り込む計画を進めている。さらに、気孔応答が緩慢になっていた候補因子の局在解析、機能解析を進めることで、気孔葉緑体が担う環境情報処理機能の鍵となる葉緑体因子を同定する。
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Research Products
(18 results)