2022 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラ動態から紐解く発達期の臨界期回路再編メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Inducing lifelong plasticity (iPlasticity) by brain rejuvenation: elucidation and manipulation of critical period mechanisms |
Project/Area Number |
21H05702
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
中川 直樹 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 助教 (30835426)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 大脳皮質神経回路 / 臨界期 / ゴルジ体 / 樹状突起精緻化 / in vivoイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
生後発達期の臨界期には神経回路の再編成が生じ、情報伝達の精確性が向上する。細胞レベルの変化として、神経細胞は適切な標的軸索と結合した樹状突起を勝者として維持・成長させ、余剰な樹状突起は退縮させる(樹状突起精緻化)。本研究は、細胞の形態形成に重要な役割を担うゴルジ体に着目し、マウス大脳皮質体性感覚野第4層(L4)神経細胞をモデルとして、樹状突起精緻化におけるゴルジ体の役割解明を目的として行うものである。2022年度は、前年度に引き続き、ゴルジ体局在と樹状突起精緻化との因果関係、およびゴルジ体の局在変化における神経入力の役割、の解明を目標とした。 まず、前年度に開発した、マウス脳内で時期特異的にゴルジ体局在を操作するツールを用いて、マウス体性感覚野L4神経細胞に対し、樹状突起精緻化の臨界期にあたる生後第1週の期間に限定してゴルジ体局在異常を引き起こした。L4神経細胞の樹状突起形態に生じる変化を解析した結果、ゴルジ体の局在異常によって、樹状突起精緻化が阻害されることが明らかとなった。 これと並行して、生後発達期の神経入力とゴルジ体局在との関連を明らかにするために、樹状突起精緻化に必須であるNMDA型グルタミン酸受容体のノックアウト実験を行った。NMDA受容体の必須サブユニットであるGluN1をL4神経細胞特異的に単一細胞でノックアウトし、ゴルジ体局在に生じる変化を解析した。その結果、GluN1ノックアウトによってL4神経細胞のゴルジ体局在に異常が生じることを見出した。 以上の結果は、NMDA受容体を介した神経入力によるゴルジ体局在制御機構が存在すること、および同機構がL4神経細胞の樹状突起精緻化に必要であることを示すものである。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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