2022 Fiscal Year Annual Research Report
DNAループ形成動態のモダリティ
Publicly Offered Research
Project Area | Genome modality: understanding physical properties of the genome |
Project/Area Number |
21H05742
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深谷 雄志 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (00786163)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | ゲノム構造 / エンハンサー / 転写 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、転写を制御する高次ゲノム構造の形成がどのように制御されているのかについて、ショウジョウバエ初期胚をモデルに解析を進めた。ショウジョウバエをはじめとする節足動物には、CTCFやCohesinなどの既知の因子とは異なるゲノム制御因子が多数存在することが示唆されている。しかしその全貌については、ほとんど理解されていない。昨年度の解析によりCP190と呼ばれる節足動物特異的なタンパク質が、ゲノム構造化とエンハンサーの機能制御に重要な機能を果たしていることが示唆された。そこで本年度は、CP190との結合が報告されている新規因子や、それらとの配列相同性に基づいた未知なる因子の動的に焦点を当て、解析を進めた。候補因子としてリストアップされた20種類以上の遺伝子に対して、ゲノム編集技術を駆使しGFP-3xFLAGタグをノックインした新規ショウジョウバエ系統をしシステマティックに作製した。さらに並行して、それらの生理的意義を明らかにするために、各遺伝子を特異的に欠損させた新規ノックアウト系統の作製を行った。コントロールとしてCP190のGFPノックイン系統を作製し、超解像顕微鏡解析を行ったところ、ショウジョウバエ初期胚の核内で液滴状のクラスターを形成していることが明らかとなった。そこで、液滴の形成を指標に作成したGFPノックイン系統の解析を行ったところ、複数の新規因子が、従来全く知られていない液滴状の核内構造体を形成することを新たに見い出した。さらに、そのうちいくつかの遺伝子のノックアウトについては、ホモ致死や稔性の低下、孵化効率の低下など様々な表現型が表出することを明らかにした。以上の結果は、既存のCTCF/Cohesinを中心としたゲノム制御のパラダイムを変革する可能性を持つ、重要な知見である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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