2022 Fiscal Year Annual Research Report
精子クロマチンの物性変化や核形態変化へのアクロソームと核膜孔の役割の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Genome modality: understanding physical properties of the genome |
Project/Area Number |
21H05743
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
荒川 聡子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 教授 (90415159)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | GOMED / ゴルジ / 精子形成 / 核膜孔 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゴルジ体は小胞体から輸送されたタンパク質に、糖鎖修飾やリン酸化修飾などを加え、細胞外や細胞膜、リソソームへと輸送する。我々は、この過程が滞ると、ゴルジ体を用いた分解、GOMED機構 (Golgi Membrane Associated Degradation)が起きることを発見した。このGOMED機構は、酵母から哺乳動物まで保存された機構であり、ゴルジ体を経由したタンパク質がゴルジ体において滞留したときに機能する。このとき、1. トランスゴルジの膜が大きく変形する、2. 分解するタンパク顆粒やミトコンドリアを包み込む、3. ライソソームと融合して分解する、という過程を経る。 我々はすでにGOMEDに必要な分子を同定しており、そのノックアウトマウスは胎生致死や神経変性疾患、腸炎など重篤な表現型を示すことを見出している。今回、このGOMEDに関与するタンパク質のうち、GOMED-1を欠損させたマウスは雄性不妊となることを見出した。 この欠損マウスの出生割合は予測される25%を下回る7%以下であり、産仔数も非常に少ない。そこで、精巣及び精巣上体の微細構造解析を行った。その結果(1) ゴルジ体から形成されるアクロソーム形成の初期には異常がみられないこと、(2)アクロソームが変形し精子の核を取り囲む過程において、異常が見られること、(3)精子の核膜孔の分布に異常が見られること、(4) 核のクロマチン濃縮の遅滞することが判明した。 これらの解析結果から、GOMED-1欠損マウスの精子形成においては、アクロソームの分化異常と共に、核膜の形態変化やクロマチンの濃縮過程に異常が生じることが判明した。 また、新たに精巣特異的GOMED-1欠損マウスを作製した。現在、その解析中であるが、GOMED-1欠損マウスと表現型の違いを見出しており、このマウスについても解析を進めている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)