2021 Fiscal Year Annual Research Report
ミスマッチ修復におけるゲノムモダリティの構造生物学的解明
Publicly Offered Research
Project Area | Genome modality: understanding physical properties of the genome |
Project/Area Number |
21H05757
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
原 幸大 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (80729343)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / ミスマッチ修復 / クロマチンリモデラー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではミスマッチ塩基周辺のヌクレオソームを広範囲に渡り除去するクロマチンリモデラーの結晶構造を高分解能で決定する。また、クロマチンリモデラーとミスマッチセンサーによるミスマッチ部位の認識、及びヌクレオソーム除去の作用機序をSAXS、クライオEMを用いた動的構造解析により原子レベルで明らかにすることで、クロマチン化されたDNA鎖上でミスマッチ修復がどのように働くのか理解する。 今年度は、ミスマッチ修復において重要な役割を果たすクロマチンリモデラーSMARCAD1のヘリカーゼドメインの構造解析を目指し、組換えタンパク質の調製と結晶化条件の探索を重点的に行った。しかし、SMARCAD1ヘリカーゼドメインの微結晶が得られているものの、構造決定には至っていない。構造解析に適した結晶を得るために、ディスオーダー予測やドメイン予測を組み合わせて、αヘリックスやβシートなどの二次構造を持たず熱力学的に不安定な領域を予測し、組換えタンパク質発現系を再構築した。結晶化に適した複数の組換えタンパク質を調製することができたため、今後、これらを用いて結晶化条件を再探索する。また、ヘリカーゼドメインの基質であるATPアナログやADPとの複合体についても共結晶化条件を探索する。ミスマッチセンサーとの複合体の構築に向けて、SMARCAD1全長の組換えタンパク質についても調製に成功しているため、クライオEMによる測定を行う。ミスマッチセンサーについては、既に構造が報告されているヒトホモログの構造を参考に、発現系の構築を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SMARCAD1のヘリカーゼドメインの組換えタンパク質の調製方法を確立していたため、今年度は得られた結晶を用いてX線結晶構造解析を行う計画を立案したが、未だ構造決定に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
SMARCAD1のヘリカーゼドメインの構造解析に適した結晶を得るために、熱力学的に不安定な領域を取り除いた組換えタンパク質発現系を再構築した。今後、発現領域を変えた新しい組換えタンパク質を用いて結晶化条件を再探索する。また、ヘリカーゼドメインの基質であるATPアナログやADPとの複合体についても共結晶化条件を探索する。ミスマッチセンサーとの複合体の構築に向けて、SMARCAD1全長の組換えタンパク質を用いて、クライオEMによる測定を行い、構造解析を目指す。ミスマッチセンサーについては、構造報告されているヒトホモログの構造を参考に、発現系の構築を進めている。組換えタンパク質を調製したのち、SMARCAD1全長との複合体を再構成し、クライオEMによる測定と構造解析を行う。
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