2021 Fiscal Year Annual Research Report
Making differences between spines and soft-rays in the dorsal fin
Publicly Offered Research
Project Area | Material properties determine body shapes and their constructions |
Project/Area Number |
21H05768
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 宏治 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70261550)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | レインボーフィッシュ / 棘条 / 鰭条 / 骨 / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は実施課題のうち次の二つの計画を中心に研究を実施した。 課題1.外枠(上皮組織)の違い:ヒレ原基の上皮組織の構造的差異 軟条ヒレ原基と棘条ヒレ原基では、原基を覆う上皮シートの形成過程や形状が異なっている可能性がある。これらの違いと上皮の袋内に形成される骨構造の違いの関係について調べた。棘条ヒレでは、間充織細胞を覆う基底膜構造が袋状に配置されていることを見出した。 課題2.足場(ECM)の違い:足場となるECM(actinotrichiaなど)の構造的差異 正中膜ヒレを用いない棘条ヒレ原基では、異なる機構で間充織細胞が集積する可能性がある。足場構築状態と間充織細胞の集積方法に違いがある可能性を検証した。軟条ではactinotrichiaに骨細胞が配置されるのに対し、棘条ではactinotrichiaが用いられていないことを示すデータを得た。その代りに、棘条の骨を形成する領域に間充織細胞が集積し細胞塊を形成していることを見出した。 これらの実験遂行において、レインボーフィッシュを再繁殖し、必要な数のレインボーフィッシュの稚魚を得ることができた。そのうえで、上皮組織の違いや足場となるECMの構造的差異の解析を行った。透過型電子顕微鏡を用いた組織構造解析も加え、レインボーフィッシュの棘条形成時にはactinotrichia細胞外基質構造が使われていない可能性を強く示唆した。actinotrichiaの機能阻害についても解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レインボーフィッシュの飼育条件を整え、その方法について学術論文を投稿した。また、レインボーフィッシュを用いてCRISPR/Cas9系を構築するなど分子遺伝学的手法を確立し、その方法についても学術論文として投稿するなど、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
レインボーフィッシュの棘条形成時には、アクチノトリキア細胞外基質構造が使われていない可能性を見出したが、その検証のため多角的な組織観察とアクチノトリキアの機能解析を行う。
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