2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of bioadaptive materials for four-dimensional control of cellular aggregates
Publicly Offered Research
Project Area | Material properties determine body shapes and their constructions |
Project/Area Number |
21H05769
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 雅哉 東北大学, 工学研究科, 教授 (10332735)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞凝集体 / 四次元制御 / バイオアダプティブ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物の形態形成では、細胞が集団的かつ精緻に制御されている。その制御機構は、主に、細胞外マトリックスなどの「非細胞素材の加工」や「液性因子の濃度勾配」などに基づいている。一方、現状の細胞生物学に立脚したオルガノイド誘導法には、形づくりの進行に追従して、時間とともに幹細胞凝集体の周囲環境が変化するという重要な視点が技術的に欠如している。近年、これらを人工的に構築する方法として、材料工学的アプローチの有効性が示唆されている。すなわち、この周囲環境が変化するという視点に対し、①材料の力学特性、②細胞接着分子の種類、③液性因子の放出挙動などを四次元制御(空間的・時間的)できる材料工学技術を学術的「問い」とした研究が必要である。本研究では、このような材料工学技術として、サンドイッチ培養法と光反応を組み合わせたバイオアダプティブ材料を用いた四次元制御の有効性について検討する。このため、研究項目①光反応を利用した非細胞素材の四次元制御による加工、研究項目②液性因子の濃度の四次元制御に利用する刺激応答性ハイドロゲル、および研究項目③バイオアダプティブ材料を用いた幹細胞凝集体のサンドイッチ培養について検討する。 本年度は、研究項目①について、γーシクロデキストリンからなるマイクロゲルを作製し、乳腺上皮細胞を用いて上皮細胞の培養基材として検討を行った。研究項目②では、γーシクロデキストリンからなるマイクロゲルに分化誘導因子であるデキサメサゾンの内包とその放出挙動について検討した。研究項目③では、サンドイッチ培養のための粘着性を有するハイドロゲルについて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の検討によりγーシクロデキストリンからなるマイクロゲルを作製することができている。一方、光制御の視点から光反応性の表面処理技術、光反応性に分子の収着・脱着を制御する技術の開発が必要であるが、光応答性に分子の収着・脱着を可能とするβーシクロデキストリンを用いたマイクロゲルの開発が達成できていない。 2021年度の検討により粘着性を有するハイドロゲルは実現できているものの、それに光反応性を付与する技術の開発が達成できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に検討したγーシクロデキストリンからなるマイクロゲルに対して光反応性に分子の収着・脱着が起こるかどうかを検討する。同時に、βーシクロデキストリンを用いた検討を行い、目的の達成を目指す。 一方、2021年度に検討した粘着性を有するハイドロゲルに対して光反応性を付与する検討を行っており、目的とするバイオアダプティブ材料の完成を進める。 並行して、領域内の共同研究により細胞をもちいた評価系の導入を検討することにより、材料の有効性について評価する。
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