2021 Fiscal Year Annual Research Report
Build a house in a storm: How do diatoms grow themselves steadily in environmental disturbance
Publicly Offered Research
Project Area | Material properties determine body shapes and their constructions |
Project/Area Number |
21H05777
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 健郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30209639)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 形態形成 / 珪藻 / 力学的適応 / ものづくり / バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Aulacoseiraの伸展過程の詳細観察:現有する高分解能共焦点顕微鏡を用いて殻の伸展過程を詳しく調べるため,オートフォーカス装置を導入した.また,伸張・分裂のタイミングを計測し,どの時期に珪藻を顕微鏡にセットすれば効率よく観察が行えるのか調べたが,実験担当者の不調により,その後の観察は行えなかった. 2.Aulacoseiraの伸長力の計測:Aulacoseiraがどのくらいの力で伸びるのか計測した.珪藻の一端を途中で内腔を細くしたガラスマイクロピペットに挿入して把持し,他端にマイクロピペットを当て,伸長を阻害する様な力を加えた.この状態で伸長を止める力を調べようとしたが,珪藻の伸長が止まる前に珪藻が折れてしまった.折れた時点での軸方向荷重は14μN程度であった.この伸長力が細胞内圧でもたらされていると仮定すると細胞内圧は200kPa程度と計算され,細胞内圧はこれより十分高い可能性が示された. 3.AFMによるAulacoseira殻の力学特性計測:AFMを用いて珪藻殻の力学特性計測を行う予定であったが,装置の再稼働に手間取ったたため,取り敢えず方針を変更し,3点曲げ試験からヤング率を求める方法をまず試すことにした.そこで既存の3点曲げ負荷培養装置を改造し,ガラスマイクロピペットの先端を珪藻に宛て,これで曲げを加え,荷重はマイクロピペットの撓みから求める系を試作した.そして,この系を用いて3点曲げ試験を行ない,珪藻を破断させることも可能であることを確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上手く行かないことが判明した課題もあるが,研究実施計画の内容は概ね実行できているから.
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Strategy for Future Research Activity |
1.Aulacoseiraの伸展過程の詳細観察:現有する高解像度共焦点顕微鏡を用いて殻の伸展過程を詳しく調べる.新たに形成する殻が蛍光を発するようになる試薬PDMPOを入れた培地中で培養し,新たな殻がどのようにして形成されていくのか調べる.長時間にわたる連続的な観察が必要となるため,オートフォーカス装置を導入する.また,伸張・分裂に伴う直径の時間変化を部位毎に詳細に調べる. 2.Aulacoseiraの伸長力の計測:Aulacoseiraがどのくらいの力で伸びるのか計測する.珪藻の一端を途中で内腔を細くしたガラスマイクロピペットに挿入して把持し,他端にマイクロピペットを当て,伸長を阻害する様な力を加える.この状態で伸長速度と力の関係を調べ,伸長力を求める.伸長力が細胞内圧により生じているとすると,伸長力を珪藻の断面積で割ると細胞内圧となるはずである.この方法で細胞内圧を推測する. 3.AFMによるAulacoseira殻の力学特性計測:現有する倒立型落射蛍光顕微鏡に取り付けられたAFMで殻のヤング率を計測する.AFMの探針に直径数ミクロンのビーズが付いたものを用い被殻表面を押込試験する.PDMPO添加培地で培養した伸展途中の試料を用い,既に完成している被殻と形成途中の被殻のヤング率やスティフネスを比較する.
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Research Products
(5 results)