2021 Fiscal Year Annual Research Report
薄く時間変化する生体建築部材の流体構造連成解析ーからだ建築のCAEの方法
Publicly Offered Research
Project Area | Material properties determine body shapes and their constructions |
Project/Area Number |
21H05785
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
今井 陽介 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60431524)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 生体組織形成 / 流体構造連成解析 / アイソジオメトリック解析 / バイオメカニクス / CAE |
Outline of Annual Research Achievements |
生体の組織を構成する建築部材は,多くの場合,繊維と膜と液体であり,例えば,上皮組織の管腔構造などが作られる.これらの建築部材に共通する特徴は,薄い構造であること,部材の数や形が時間変化すること,流体の中で建築作業が進行することである.本研究の目的は,生体建築部材から作られる生体組織のコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)の手法を開発することである.具体的には,建築部材の変形,成長,結合の変化を考慮して生体構造力学を数理モデル化し,T-スプライン曲面理論に基づくアイソジオメトリック解析を応用する流体構造連成計算手法を開発する.これを用いて,イン・ビボ実験で得られている螺旋形状の血管形成の再現を試みる. 2021年度は,生体建築部材の流体構造連成解析手法として,Tースプライン曲面理論に基づくアイソジオメトリック流体構造連成解析のフレームワークを開発した.この手法は曲面の高次表現に特徴があり,薄い構造の曲げ変形を高精度に計算することができる.管腔構造の生体組織に対し,成長を伴う管壁の構造力学を生体組織の成長理論とキルヒホッフ・ラブシェルを用いて定式化している.現在,この手法を用いて,血管を模擬した管腔構造に対する簡易的なパラメトリック解析を実施している.管腔構造が一次元的,二次元的,三次元的に座屈変形するパターンが得られており,それぞれの座屈変形パターンに至る条件を検討し,メカニズムを明らかにしようとしているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り,生体建築部材の流体構造連成解析手法として,Tースプライン曲面理論に基づくアイソジオメトリック流体構造連成解析のフレームワークを開発することができており,螺旋形状の血管形成に対するパラメトリック解析も開始できているため.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,生体組織の成長理論と構造力学を合わせた生体構造力学の計算手法を精密化し,三次元的な螺旋形状の血管が形成されるための条件を明らかにする.
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