2022 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding YUGEN that means the subtle and profound in Noh singing as ambient sound
Publicly Offered Research
Project Area | Analysis and synthesis of deep SHITSUKAN information in the real world |
Project/Area Number |
21H05816
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
木谷 俊介 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (70635367)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 幽玄 / 謡曲 / スペクトル変調 / 時間変調 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、spectro-temporal modulation(STM, スペクトル・時間変調)に着目し、ヒトが幽玄を知覚する謡曲特有の物理特性を明らかにすることである。「日本的な美としての幽玄」を知覚させる謡曲に含まれる物理特徴が何であるかを、謡曲に含まれるヒトの発声だけに着目するのではなく、舞台空間および能面によるアンビエントの変化にも着目した。謡曲の幽玄に関わるSTM情報を明らかにすることで、幽玄を生じさせるスペクトル変調成分(声帯および声道の動きと対応)、および時間変調成分(アンビエントの変化に対応)を示すことを目指した。 まずは、発話者やアンビエントの違いによって謡曲にどのような違いがあるのかを分析するために、様々な条件で謡曲や自然発話の収録を行った。熟練度や流派の異なる発話者(老若男女の能楽師と謡曲を習う能楽愛好家)の音声を14名分収録できた。また、舞台環境も防音室も含めて5か所、能面も5条件(4面と付けない条件)の収録ができた。 次に、収録した謡曲をSTM分析した。その結果、(まだ定量的な評価にとどまるが)熟練者ほどSTM情報がスパースである傾向が見られた。また、アンビエントの変化は時間変調成分に顕著に表れており、能面の方が舞台よりもSTM情報に影響を与えていた。 最後に、収録した音声の心理評価を知覚実験によって行った。謡曲の幽玄をどのように実験参加者に評価させるかは今後の検討が必要であるが、今回は、「良いと感じるか」を評価指標とした。実験では、サーストンの一対比較法により、熟練度の異なる話者の謡曲を実験参加者に評価させ、謡曲の良さの心理スケールを求めた。その結果、熟練度の高さにしたがって心理スケール上にプロットされた。 今後は、謡曲のSTM情報と心理スケールとを対応させることを行い、謡曲の心理評価に対応するSTM情報を明らかにしていく。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)