2021 Fiscal Year Annual Research Report
Neural Mechanisms of transformation from Multidimensional Sensory Information to Value
Publicly Offered Research
Project Area | Analysis and synthesis of deep SHITSUKAN information in the real world |
Project/Area Number |
21H05832
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
鮫島 和行 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (30395131)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 価値情報 / 情報抽出 / 強化学習 / 意思決定 / ニホンザル |
Outline of Annual Research Achievements |
多様で多次元の質感情報の中から、意思決定に必要な情報を抽出する能力は、不確実で非定常な環境での生存に重要であり、進化を通じて神経機構の中に実装されている。これまで、この様な情報抽出はすでにされたものとして扱われ、価値から行動決定までの研究が進められてきた。本研究では、多様で多次元の感覚情報から価値の基底をなす関数を大脳皮質と大脳基底核の神経回路で統計的に抽出する、という新しい仮説をたて、その計算論的仮説を検証するための、行動学的実験、神経生理実験を実施することにより、質感から価値への効率的な変換の神経メカニズムの解明にアプローチする。 文脈に応じて多様な行動空間での意思決定を必要とする課題をニホンザルに訓練し、その学習過程の記録・解析を行動学的に行う。Wisconsin card sorting task に類似した色や形や数などの複数の属性を持つ視覚刺激を複数提示し、その中から1つを選ばせる。選んだ図形に応じた量や確率でペレットや液体報酬を動物に与える。ただし、文脈として報酬の量や確率に関連する属性(色・形・サイズ等)を固定し、一定の期間、関連性を保持して選択させる。この報酬に関連する属性を、セッション毎に変更する。関連する属性を特定できれば、その属性と報酬との間の価値関数を学習し、価値を比較することで効率良く選択することができる。動物が試行錯誤の中で発見し、ルールとして定着化し、それを基底関数とした報酬予測過程の行動学的な実験を行う。 行動を再現するネットワークモデルの提案を行い、その中間表現から、線条体および 大脳皮質の情報表現を予測する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文脈に応じて多様な行動空間での意思決定を必要とする課題の開発を行い、試験的にヒトを使ったデータの取得に成功した。この課題をニホンザルに訓練し、その学習過程の記録・解析を行動学的に解析を開始している。ケージ内での訓練装置のセットアップを行い、順調に行動データの取得を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、訓練している行動課題を解くネットワークモデルを開発し、その挙動と動物の行動データの説明率からモデル選択を行う。また、そのモデルで用いている内部変数の挙動から、大脳皮質と大脳基底核の神経活動を予測する。複数の動物からの、皮質埋め込み電極と深部の多点電極からの神経活動記録を行い、予測を検証する。
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