2022 Fiscal Year Annual Research Report
工学システム解析に現れるシンボリック行列に対する離散構造論の展開
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Organization of Innovative Algorithmic Foundations for Leading Social Innovations |
Project/Area Number |
21H05846
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 眞一 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (30623540)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | シンボリック行列 / マトロイド / グラフ剛性 / テンソル補完 / セカント多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
工学システム解析に現れるシンボリック行列を統一的に取り扱う枠組みとして、多項式写像のジェネリックな点におけるヤコビ行列の解析法を考察した。この枠組みは、グラフの剛性解析における手法を抽象化したものであり、シンボリック行列の階数計算に対して組合せ剛性理論の組合せ的アプローチを一般化することが可能である。今回の研究では、ヤコビ行列によって定まる行列マトロイドと代数幾何学の古典的話題であるセカント多様体の非退化性との関係を明らかにし、セカント多様体の射影の次元と組合せ的疎性マトロイドとの関係を明らかにした。さらに、グラフの剛性解析において基本的な道具である、グラフ詰め込みやグラフの局所操作に基づくシンボリック行列の解析方法を提案した。 さらに2022年10月に発表されたMassarentiとMellaによるセカント多様体の同定性条件を利用することで、本研究の枠組みが工学システム解析の次元解析だけではなく、同定性解析にも利用可能であることを示した。 また具体的な応用例として、Lp空間におけるグラフ剛性問題や低ランクテンソル補完問題の唯一性などを考察した。これらの問題に対してランダムグラフの剛性解析手法を転用することで、シンボリック行列の平均的な振舞いを解析することに成功した。特に低ランクテンソル補完問題に対しては、ランダムサンプリングによって、低ランク補完が唯一に定まるための十分条件を導出し、既存成果のサンプリング率の改良を行なった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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