2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Algorithms for Implementation of Product-Mix Auction
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Organization of Innovative Algorithmic Foundations for Leading Social Innovations |
Project/Area Number |
21H05848
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩浦 昭義 東京工業大学, 工学院, 教授 (10296882)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 離散凸解析 / 最適化 / オークション / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に,「入札者の代替的評価関数を正確に表現する重み付き評価値ベクトル集合を求める」という課題に取り組んだ.評価関数が「需要オラクル」により表現される場合についてはGoldberg et al. (2021)により解決済みであり,本研究では評価関数が「関数値オラクル」で表現されるときに,どの程度高速に計算可能かを明らかにし,実際に高速に計算を行うアルゴリズムの構築を目指す. この目標を実現するための手がかりとして,代替的評価関数の特殊ケースについて,その構造を理解することから始めた.まずは対称凹評価関数という部分クラスについて,その関数の多面体構造を調査しつつ,その関数を表現する重み付き評価値ベクトルの表現について調べたが,陽な形での表現を得ることは困難であった. 次に,正の重み付き評価値ベクトルのみで表現可能な評価関数のクラスに注目し,とくに財が2つのみの場合に注目して研究を進めた.まずは関数値の情報が所与のときに,その評価関数を表現する評価値ベクトルの計算方法について調査を行った.評価関数に対してある種の非退化性の仮定をおいた場合には,逐次的な計算により,関数を表現する評価値ベクトルの計算が比較的容易にできることを確認した.一方で,非退化性の仮定を置かないより一般的な場合については,同様の手法は使えない可能性が高いことが判明した. そのため,正の重み付き評価値ベクトルのみで表現可能な評価関数の多面体的な構造について,より詳細な調査を行い,関数の多面体構造に基づく非自明な特徴付けを得ることができた.また,その特徴付けを用いることにより,所与の評価関数が正の重み付き評価値ベクトルのみで表現可能か否かを判定することが高速にできることを確認した.ここで得られた成果については,現在論文にまとめており,査読付き論文誌に投稿する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通りには研究が進んでいないものの,最初に取り組んだ研究課題から,思っていた以上に興味深い結果を得ることが出来,現在も取り組んでいるところである.この課題に対して十分な成果を得ることにより,今後のさらなる進展が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
正の重み付き評価値ベクトルのみで表現可能な評価関数のクラスにおいて,財の個数が3つ以上の一般の場合に対する検討を行う.とくに,財が2個の場合の結果が一般の場合に拡張できるかどうか調査する.その際,単に効率的なアルゴリズムを提案するだけでなく,その先の研究の発展に繋げるために,評価関数の構造を深く理解することを目指す.
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