2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Algorithms for Graph Optimization Problems with Utility Functions
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Organization of Innovative Algorithmic Foundations for Leading Social Innovations |
Project/Area Number |
21H05852
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土中 哲秀 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30824982)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | グラフ最適化 / グラフアルゴリズム / アルゴリズム的ゲーム理論 / 安定解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,コミュニティ検出,人員割当,配置割当など様々な応用がある効用関数付きグラフ最適化問題を中心に,個人の効用を考慮した最適化問題を主な対象として,アルゴリズム設計および計算量解析を行なった.本年度は,加法分離的ヘドニックゲームと呼ばれる効用関数付きグラフ分割問題の計算量解析,分数型ヘドニックゲームにおける計算量解析,離合コスト下でのパス計画ゲームの均衡計算,グラフマッチング型ゲームの勝者計算について主に取り組んだ. (1) 加法分離的ヘドニックゲームの計算量解析: 本研究では,疎なグラフにおけるナッシュ安定解の存在性判定の計算複雑性を詳細に解析した.本研究結果はヨーロッパの理論計算機科学トップ国際会議の一つであるESA2022に採択され,発表した. (2) 分数型ヘドニックゲームにおける計算量解析: 分数型ヘドニックゲームに対して,木幅が定数であるグラフに対して効率的に最適分割を計算できるアルゴリズムを設計した.また,安定解の効率性を図る指標であるPrice of AnarchyやPrice of Stabilityについても解析した. (3) 離合コスト下でのパス計画ゲームの均衡計算: ネットワークにおいて,複数のエージェントがコストが最小になるように経路を設定することを考える.この時,適当に経路を決めてしまうと,細長い道路を多くのエージェントがすれ違うと速度を落とすなど追加コストが生じる.このような状況をモデル化し,均衡解計算について考察した.これによって,ある条件の元,均衡を求めることがPLS困難であることがわかった. (4) グラフマッチング型ゲームの勝者計算: グラフ上の辺取りゲームである辺ケイレスの計算量解析を行い,ターン数が少ない場合には効率的に解けるアルゴリズムを設計した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加法分離的ヘドニックゲームの計算量解析に関する論文がヨーロッパの理論計算機科学トップ国際会議の一つであるESA2022に採択,グラフマッチング型ゲームの勝者計算に関する論文が査読付き国際会議であるIWOCA2022に採択されており,順調に結果が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
ヘドニックゲームにおける異なる安定解に対する計算量解析や新たに提案したパス計画ゲームの詳細な計算量解析を中心として,本年度得られた結果を深める形で研究を進めていく.
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Research Products
(20 results)