2022 Fiscal Year Annual Research Report
分散計算における細粒度設計抽象化技法の創出とその応用
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Organization of Innovative Algorithmic Foundations for Leading Social Innovations |
Project/Area Number |
21H05854
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
泉 泰介 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (20432461)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 分散アルゴリズム / グラフアルゴリズム / 自己安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4-5年度においては,主に以下の3課題に取り組み,結果を得た. (1) 一般グラフの最大マッチング問題に対する高速な分散アルゴリズムの設計:一般グラフの最大マッチング問題は,既存の逐次アルゴリズムを分散グラフアルゴリズムとして実現する場合,分散・並列処理が本質的に困難な部分が数多く存在し,これまでに非自明な実行時間上界(劣2乗時間)を持つアルゴリズムは知られていなかった.本研究はこの未解決問題を肯定的に解決し,世界初の劣2乗時間分散アルゴリズムを提案した. (2) 耐故障連結性ラベリングスキームの決定性構成:耐故障連結性ラベリングスキームとは,ネットワーク(グラフ)における辺故障下での2頂点間連結性判定を効率的に判定する分散型のテータ構造の一種である.非自明なラベルサイズを持つ同ラベリングスキームの構成方法は乱択を用いたモンテカルロ型の構成手法のみが知られており,決定性構成方法は未解決の課題であった,本研究ではこの問題を肯定的に解決した. (3) モバイルエージェントの計算能力に関する研究:モバイルエージェントはネットワーク中を自律的に移動する計算主体である.モバイルエージェントが備えるリソースと計算能力の関係性の解明は当該分野における基本問題の一つであるが,本研究では,従来能力差があることが知られていた2つの異なるエージェントモデルについて,それが活動するネットワークのトポロジにある弱い制約を課した場合能力が等価となることを理論的に証明した.この等価性は予想外かつ興味深い結果であり,国際会議OPODIS2022においてBest Student Paper Runner-upを受賞した.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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