2021 Fiscal Year Annual Research Report
Enumeration algorithms for canonical forms of geometric graphs by frontier based search
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and Organization of Innovative Algorithmic Foundations for Leading Social Innovations |
Project/Area Number |
21H05857
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 寿樹 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (00590390)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | アルゴリズム / 列挙 / グラフクラス / ZDD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は幾何的特徴を持つグラフの標準形を効率的に列挙するアルゴリズムの開発を行っている.2021年度は真区間グラフ,二部置換グラフ,補鎖グラフ,鎖グラフに対する同型性を考慮した効率的な列挙アルゴリズムの開発を行った. 真区間グラフや二部置換グラフは Dyck パス(2n ビットの対応の取れた文字列)と対応することが知られており,Dyck パスは組合せ集合をコンパクトに表現できる ZDD を用いて列挙することができる.しかし,単純にグラフと Dyck パスが1対1に対応するわけではなく,Dyck パスにおける対称性をうまく扱う必要がある.そこで本研究では,そうした対称性をコンパクトに表現する手法を考案し,効率的なアルゴリズムの開発に成功した. 補鎖グラフや鎖グラフは n ビットの文字列で表現することができる一方で,これらのグラフクラスにおいても対称性をうまく除去する必要がある.真区間グラフおよび二部置換グラフと同様のアイディアを用いることで,標準形のみを列挙することができる. これらのアルゴリズムは拡張性が高く,頂点数だけでなく,グラフ中の(二部)クリークのサイズや辺の本数などを与えて,それらに対応するグラフのみを列挙することができる. また開発したアルゴリズムを用いて,ウェブページ上で列挙したグラフを描画するツールを開発し,公開している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度はいくつかのグラフクラスに対して,標準形を列挙する効率的なアルゴリズムを開発した.開発したアルゴリズムは拡張性が高く,様々なグラフ構造を制限したアルゴリズムへと拡張することができる.これらの成果は査読付き国際会議へ投稿するため,準備を進めている.今後,これらの成果をさらに発展させることが期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
幾何的特徴を持つグラフ上の同型性を考慮した列挙アルゴリズムの開発をさらに推し進めていく.具体的には根付き木の列挙を検討していく.根付き木は様々なグラフクラスの標準形を考える上で,重要となる構造である.さらに 2n ビットの対応の取れた文字列で表現できるため,一見して,これまでのアルゴリズムと同様の手法で解けるように見える.しかし,標準形となる子の順序などを考慮しなければならないため,それらの情報はコンパクトに表現できず,愚直なアルゴリズムでは効率的とは全く呼べない.こうした問題を解決するために新たな標準形の定義や根付き木に対する新たな性質の発見を目指す. また,これまでに扱ってきた拡張問題には(二部)クリークや辺の本数がある.これらの構造は標準形列挙で用いる1つの整数をそのまま管理することで計算することができる.今後は他の構造で同様の拡張問題を扱うことができないかを検討していく.具体的には独立集合や最大次数などを検討することが挙げられる.これらの構造を扱うために,これまでの情報をうまく扱うことで列挙可能なのか,またできなければ,どのような情報が必要かを検討していく.
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Remarks |
開発したアルゴリズムを用いた列挙したグラフを描画するツールを公開している.
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