2021 Fiscal Year Annual Research Report
アクティブ・ネマティクスに基づく分子ロボットの逆運動学理論の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Cybernetics -Development of Minimal Artificial Brain by the Power of Chemistry |
Project/Area Number |
21H05869
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮廻 裕樹 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (40881206)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞骨格 / 分子モーター / アクティブネマティクス / 等角写像 / トポロジカル欠陥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,分子ロボットの形状変化に用いられる細胞骨格・分子モーター系において所望の流体運動を生成するためのトポロジカル欠陥(配向角度が定義できない特異点)の逆運動学理論を確立することである. 本年度は,所望の位置に欠陥が生成されるように領域形状を最適化する逆運動学理論の構築を主に行った.はじめに細胞骨格・分子モーター系が存在する領域を単位円板からの等角写像として表現し,液晶としての弾性エネルギーを等角写像のパラメータによって陽に記述する公式を導出した.さらに,所望の欠陥の位置において弾性エネルギーが極小化するという条件を等角写像のパラメータについての条件に変換し,最急降下法によって等角写像のパラメータを最適化するアルゴリズムを構築した.提案アルゴリズムの妥当性は数値計算により検証された.等角写像を多項式関数で表したとき,提案アルゴリズムによって多項式関数の係数が最適化され,所望の位置に欠陥が生成することが確かめられた.また,多項式関数の次数が形状の複雑さを表しており,次数と最適なエネルギー値との関係から,多項式関数の適切な次数を決定することができる可能性があることを示した.本成果は,細胞骨格・分子モーター系で駆動される分子ロボットの流体運動制御における終状態の分子ロボットの形状の設計指針になると考えられる.また,流体速度を非正則関数によって表現する手法についても検討しており,今後は欠陥の運動軌跡も含めた制御法について検討していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り,領域形状の最適化による欠陥制御の数値解法の基礎ができ,数値計算による検証ができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,2次元系における欠陥の運動軌跡の制御法の確立と数値計算による検証を行う.また,提案手法を3次元に拡張し,実験系における検証を行う.
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Research Products
(2 results)