2021 Fiscal Year Annual Research Report
Sharp electrochemical response and molecular-electrical signal conversion technology using ruthenium complexes
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Cybernetics -Development of Minimal Artificial Brain by the Power of Chemistry |
Project/Area Number |
21H05870
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 鉄兵 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10404071)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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Keywords | クラウンエーテル / ビオロゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では4,4’-bipyridine に2-hydroxymethyl-12-crown-4-ether、および1-bromoheptane を導入し、ゲスト応答性を示す電気化学的応答性の分子の構築を目指した。新規のクラウンエーテル修飾ビオローゲンであるN-(2-methyl-12-crown-4-ether)-4,4'-bipyridinium bromide (CRB)および2-3-2 1-(hepthyl)-1’-(2-methyl-12-crown-4-ether)-4,4’-bipiridinium dibromide (HCRB)を合成した。また、合成した新規分子に対してサイクリックボルタンメトリーによる物性測定を行った。結果、アセトニトリル中でCRBは第一還元波のピークがわずかに貴にシフトし、第二還元波が大きく貴にシフトした。分子軌道エネルギー準位計算により、このシフトがリチウムイオンの包接によるものであると考えられる。 またCRBの溶液にリチウムイオンを添加した際には酸化波が消失した。これは、分子軌道計算から、電子がリチウムイオンに非局在化しており、分解反応が起こったためと考えられる。水中ではCRBのリチウムイオンによるピークシフトは観測されなかった。これは12-crown-4-etherが水中ではリチウムイオンと包接しないためと考えられる。 HCRBについてはアセトニトリル中においてピークシフトがわずかに観測された。この原因としてカチオン種とリチウムイオンとの静電気的な反発によりリチウムイオンあまり包接しなかったことが考えられえる。 このように、溶液中での酸化還元応答性およびリチウムイオンの包接に対する応答性を実現することには成功したものの、分子間相互作用を生じさせるための分子設計を行うと還元体が不安定になることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
酸化還元活性かつ包接可能な分子の合成には成功したものの、酸化還元反応の計測が上手く行かなかった。その原因を突き止めるのに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
還元時に修飾クラウンエーテル部分の脱離が生じると計画していた現象を発現することが難しいことが明らかになった。そこで、酸化還元部位として、より1電子還元体の安定性の高いナフタレンジイミドを用いる。
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Research Products
(9 results)