2010 Fiscal Year Annual Research Report
InPダイオードと液体キセノンを用いた低エネルギー太陽ニュートリノ検出器の開発
Publicly Offered Research
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
22011001
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
福田 善之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40272520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 茂栄 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (50313044)
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Keywords | ニュートリノ / 素粒子実験 / ニュートリノ振動 / 太陽ニュートリノ / 半導体検出器 / 液体キセノン |
Research Abstract |
1MeV以下の太陽ニュートリノの観測を目的として、^<115>Inのニュートリノ捕獲を用いたInP半導体検出器を開発している。半絶縁性InP半導体基板を用いて、100mm^2の面積で厚さが200μmの世界最大のInP検出器を製作に成功した。また、バックグラウンドの測定から^<115>In原子核による制動輻射の影響が少ないことがわかった。しかし、検出器自身の物質量が十分でないために、ニュートリノ捕獲時に放出されるガンマ線は半導体外部に逃げてしまうため、周囲をシンチレータで囲む必要がある。そこで、XMASS実験やMEG実験で使用している高機能の液体キセノンシンチレータにInP検出器を浸し、冷却と同時に液体キセノンのシンチレーション光をInP検出器が測定すると、電子とガンマ線の両方を効率良く観測するハイブリッド検出器になる。液体キセノンのシンチレーション光を観測するために、薄膜電極化Au(100Å)/Cr(100Å)とメッシュ化の2パターンを試した。どちらの検出器も通常のガンマ線事象は観測したものの、5MeVα線によるCsIシンチレーション光はノイズに隠れ、観測できなかった。薄膜電極では、シンチレーション光の電極での減衰が50%以下になること、更にメッシュ型ではInPの表面による電荷収集が効率的ではないことが原因と考えられた。そこで、薄膜電極の厚みを50Åの検出器を次年度に開発し、シンチレーション光を観測することを目指す。一方、液体キセノンのシンチレーション観測実験のための、小型チェンバーを作成した。特に、振動を抑えるながら冷却を行う、特殊な熱伝導体を開発し、液体窒素による冷却試験を行った。
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