2010 Fiscal Year Annual Research Report
LHC時代のフレイバー物理による新物理学模型の探求
Publicly Offered Research
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
22011007
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
進藤 哲央 工学院大学, 工学部, 講師 (60553039)
|
Keywords | 素粒子 / LHC / フレイバー物理 |
Research Abstract |
LHC時代を視野にいれつつ,フレイバー物理に着目した新物理学模型の研究を行う本研究のテーマに対し,今年度は以下の点に特に注目して研究を行った.1.フレイバー物理の中でも,ニュートリノフレイバーの物理に注目し,適切なニュートリノ質量行列を生成できる模型の構築を行った.このとき,超対称性をもつ模型に注目し,ループ効果でニュートリノ質量が生成される模型を研究した.2.ニュートリノ質量に加え,ダークマター残存量をうまく説明する模型の拡張を考えた.我々の模型の場合には,超対称性粒子の質量スペクトルを制限する必要がある.3.ニュートリノ質量やダークマターを説明できる模型に対し,LHCをはじめとするコライダー実験でその兆候をいかにして捕えるかを研究した.これは将来LHCで新物理学模型のシグナルが発現されたときに,その新物理学模型の詳細を特定するための重要な布石となる.4.我々の模型では,標準模型に対する拡張がレプトンセクターとしか結合しないため,クォークフレイバー物理には大きく寄与しない.しかし.さらなる模型の拡張を考えた際には,Bファクトリー実験等における観測にも,何らかの兆候が見られる可能性がでてくる.このような可能性の議論を行った. これらの一連の研究を通じて,TeVスケールの物理だけで,現在の標準模型が内包している問題点の解決を試みるような理論の枠組みに対する理解を深めることができた.このことによって,新物理学模型め詳細の探求という目的に,より近付くことができる.
|
Research Products
(5 results)