2010 Fiscal Year Annual Research Report
ハドロン衝突実験での第三世代粒子測定法の改善とその発展性の研究
Publicly Offered Research
Project Area | New Developments of Flavor Physics |
Project/Area Number |
22011008
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寄田 浩平 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60530590)
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Keywords | 素粒子物理 / 加速器 / 第三世代粒子 / ヒッグス粒子 / CDF/Tevatron実験 / ATLAS/LHC実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、非常に雑音事象の多い高エネルギーハドロンコライダーにおける第三世代粒子(具体的には、τ、b-quark,t-quark)の測定法を改善し、ヒッグス粒子探索や新現象探索能力を向上させることである。2010年度の成果としては、(1)CDF/Tevatron実験において、τ粒子を終状態に含む新しい過程(WH/ZH->1vtautau/lltautau)によるヒッグス探索を行い、標準理論が予言するヒッグス粒子の生成断面積に上限値を与えた。(2)CDF/Tevatron実験で申請者が発案したヒッグス粒子探索解析(WH/ZH->jjtautau)を統計量を増やして行った。(3)ATLAS/LHC実験でトップクォーク対が全てジェットに崩壊する過程(b,bbar,4quarks)の解析結果を出したことである。(1)、(2)は共通してτ粒子が鍵となる解析であり、また、素粒子物理学の最大課題の一つであるヒッグス粒子を探索することにある。一方でτ粒子同定効率を多変量解析を用いてfake率を上げることなく、向上させる方法論についても一定の結果を得られた(20-30%の向上)。また、(3)については、始まったばかりのATLAS/LHC実験において初めて全ジェット事象(2つのb-quarkと同定されたjetを選択)を用いて、トップクォーク対生成の断面積を測る試みである。結果は統計量が十分でなかったため、信号への敏感度は2sigmaレベルにとどまったが、これからの指針を与える上でも非常に意味のある物理結果だと判断できる。これら全ての結果は学会や論文等で報告された。
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Research Products
(12 results)