2011 Fiscal Year Annual Research Report
Ia型超新星の多様性の起源とダークエネルギーの状態方程式の探求
Publicly Offered Research
Project Area | Probing the Dark Energy through an Extremely Wide & Deep Survey with Subaru Telescope |
Project/Area Number |
22012003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 憲一 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (90110676)
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Keywords | 超新星 / 赤方偏移 / 元素合成 / 宇宙膨張 / 白色矮星 |
Research Abstract |
高赤方偏移のIa型超新星を使って、宇宙論パラメータを決める場合、Ia型超新星の絶対的明るさを高い精度で知る必要がある。現在は、近傍のIa型超新星の光度曲線の巾と絶対的明るさの関係を適用している。しかしながら、ダークエネルギーの状態方程式を赤方偏移の関数として求める場合、Ia型超新星が進化していないか、すなわち、上記の光度曲線と絶対的明るさの関係自体が赤方偏移の関数として変化していないか、という重要な疑問が残る。本研究では、この疑問を解くカギとして、Ia型超新星の多様性の起源を解明することを目的とした。 そのために、白色綾星と主系列星ないしは赤色巨星のペアからなる連星系の進化にどのような多様性が生じるかを追跡した。着目したのは、白色倭星の回転である。遠心力が効くと、Chandrasekhar limitの質量が増加する。実際の連星系では、特殊な場合、すなわち金属量の少ない銀河系で作られた白色綾星の系がSuper-Chandra Massを持った系に進化しうることがわかった。このような質量の大きい白色倭星の爆発がSuper-Chandra超新星と呼ばれる特に明るい超新星となる。 回転する白色矮星は別の効果ももたらす。質量降着がストップした後、次第に回転がおさまってから爆発が起こるケースもあるということである。この遅れが大きいと、爆発した時には、相手の星がヘリウムの白色綾星になっていて爆発後に観測されない、という場合もあることを初めて示した。 特に明るい超新星の発生頻度は高くないので、宇宙論パラメータを決める議論への影響は大きくはない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Ia型超新星の多様性の起源に直結していると思われるSuper-Chandra超新星の理論的モデルを構築するにあたって、国内の広島大学やインドのヒマラヤ天文台における観測的な研究グループとの共同研究の体制が非常に効果的にとれたことである。詳細なカラーの比較により、モデルへの強い制約が得られた。
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[Journal Article] Super-Chandrasekhar-mass Light Curve Models for the Highly Luminous Type Ia Supernova 2009dc2012
Author(s)
Kamiya, Y., Tanaka, M., Nomoto, K., Blinnikov, S. I., Sorokina, E. I., Suzuki, T.
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Journal Title
Astrophysical Journal
Volume: 756
Pages: 191(12)
DOI
Peer Reviewed
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