2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機導体を用いた一次元構造体の作製と物性評価
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
22013002
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
帯刀 陽子 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (30435763)
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Keywords | 物性化学 |
Research Abstract |
本研究では、集合状態で高導電性を発現する分子性導体を用い、導電性ナノワイヤの開発とその電気物性の解明を目的として研究を行った。具体的には、 (1)様々な形状を有する導電性ナノワイヤの作製 (2)微小電極等を用いた導電性ナノワイヤの電気物性評価を行なう こととした。申請者がこれまでに行ってきた、分子設計・有機合成を基盤とした配向性を有する導電性ナノワイヤの研究は一定の成果をあげた。まず、電荷移動錯体からなる分子集合体を再現性良く作製することに成功した。 本提案では、集合状態で導電性を有する分子群を用いて1次元構造を作製し、更にコイル状形態に自己組織化させ、電子と磁気との相関を明らかにすることで、新規配列ナノ空間物質の構築を目指した。申請者がこれまでに研究してきた高導電性分子の設計および基板界面制御法を発展させ、幅1分子、長さ数マイクロメータのナノ空間を有する導電性ナノコイルの創成に挑戦した。 様々な形状を有する導電性ナノワイヤの作製 これまでに行ってきた分子集合体ナノワイヤに関する知見から、高導電性ナノワイヤを作製するためには1次元カラム構造を形成し、且つドナー分子とアクセプター分子が分離積層構造をとることが必須となるため、分子性導体にジアセチレンを付与した分子を合成し、1次元構造体を作製した。「かさ高いキラル分子」と「水素結合部位」を導入した分子を合成することで、螺旋構造を形成可能にした。更に、アクセプターと組み合わせることで部分電荷移動状態を達成し、導電性を有する「電磁気コイル」が作製できた。
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