2010 Fiscal Year Annual Research Report
光励起によるナノポーラスシアノ錯体の物質移動と物性制御
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
22013003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
守友 浩 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00283466)
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Keywords | ホストーゲスト相互作用 / シアノ錯体 / ナノポーラス物質 / 電圧誘起磁性 / 減圧誘起物性 |
Research Abstract |
(1)薄膜の顕微イメージングを行うために、顕微システムを構築した。特に、CCDカメラの画像の色合いからHSとLSとの割合を評価する方法を確立した。 (2)上記、顕微システムを用いて、光誘起相転移を示すCo-Feシアノ錯体薄膜の光誘起相転移ダイナミクスを測定した。得られた動画を解析することにより、光誘起相転移およびその緩和ダイナミクスを明らかにした。緩和ダイナミクスを詳細に解析した結果、単純な指数関数成分に外にアブラミ方程式にした成分を見出した。これか、光誘起相転移によりマクロな核生成が起こったことを意味する。本結果は、永続的な光誘起相転移が行ない系であっても、光励起によりマクロな核生成がおこっていることを実験的に確かめたものである。 (3)上記装置を用いて、シアノ錯体の系統的な高圧ラマン分光を行った。3種類のシアノ錯体について実験を行った。いずれの試料においても、圧力印加によりCN伸縮振動モードの振動数が大きくなった。しかしながら、格子定数が小さな試料に比べ、格子定数が大きな試料ではCN伸縮振動モードのその圧力係数が著しく小さくなった。これは、格子定数が大きな試料では、圧力下でCN結合長が小さくならないことを示唆している。格子定数の大きな試料では、圧力印加にともないFe(CN)6八面体が回転するため、圧力下でもCN結合長が小さくならないと考えられる。こうしたFe(CN)6八面体の回転は、格子定数の大きな試料で観測される負の熱膨張係数を説明することができる。
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