2010 Fiscal Year Annual Research Report
配列ナノ空間物質の非平衡電子・熱物性理論とデバイスモデリング
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
22013004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 貴博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30408695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 朋史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (40376512)
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Keywords | ナノ材料 / 物性理論 / 計算物理 |
Research Abstract |
本年度は2つの課題:(1)配列ナノ空間デバイスの量子輸送特性への環境効果と(2)時間変動電圧下での配列ナノ空間物質の非平衡量子ダイナミクスに関して研究を行った. 課題(1)では,ナノ空間デバイスのプロトタイプである単分子架橋等のナノ接合系の量子輸送特性に及ぼす室温・溶媒・有限バイアス電圧などの環境効果を非平衡グリーン関数法と分子動力学計算を組み合わせた第一原理計算手法によって解析を行った.具体的には,これまでよく検討されてきた有機分子(ベンゼンジチオール)を計算対象とし,室温・溶液中かつ電圧印加状態における有機分子と溶媒分子のダイナミクス,そして伝導度の時間変化を追跡することに成功した.電圧印加に伴う溶媒分子の応答,架橋有機分子の分子振動と伝導特性の相関など,多くの知見がこのシミュレーションから得られた. 課題(2)ではナノ空間物質である金属カーボンナノチューブのサブTHz~THz領域での交流応答を非平衡グリーン関数法によって解析した.交流応答特性の電極-ナノチューブ接触強度依存性を解析した結果,接触強度が強くなると共に容量性サセプタンスから誘導性サセプタンスへの転移が起きること,そしてこの転移がちょうど量子化コンダクタンスg=2e^2/hで起こることが明らかとなった。さらに,この結論は様々なカイラリティーの金属CNTに対して成立する普遍的なものであることが分かった.
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Research Products
(16 results)