2010 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面上の金属酸化物ナノメッシュを利用した半導体規則ナノドットの創製
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
22013008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柚原 淳司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10273294)
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Keywords | ナノメッシュ / ナノドット / 超薄膜 / 原子配列 / シリコン / 銀 / 走査型トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、単結晶パラジウムおよびロジウム表面上に酸化バナジウムや酸化スズを作製し、ユビキタス元素でありバルクでは半導体の性質を持つシリコンとバルクでは金属の性質を持つ銀をそれぞれナノメッシュ表面に真空蒸着することにより、配列制御した均一サイズのナノドットを作製し、その種類、構成原子数、空間分布をLEED-STM法により調べた。また、銀ナノドットについては、コンピュータシミュレーション(第一原理計算)を行い、ナノドットを構成している原子の個数や構造安定性を評価した。ここで、得られた最安定構造のシミュレーションSTM像と実験から得られるSTM像を比較することにより、計算によって得られた最安定構造の妥当性を検証した。 銀を蒸着した場合、ナノメッシュのホール中にすべての銀原子が入りナノドットを形成することがSTM法により確認された。STM像におけるナノドットの高さとシミュレーションSTM像との比較から、さらには、第一原理計算により吸着エネルギーを評価した結果から、銀原子はその蒸着量に応じて、1から3個ナノホールに入り込み銀ドットを形成することが明らかとなった。 一方、シリコンを蒸着した場合、ナノメッシュのホール中にシリコン原子が入り込まず、ナノメッシュを構成しているバナジウムや酸素上(エッジ部)に吸着することが判明した。現在は、ゲルマニウムを用いて同様の実験を始めたが、今のところ同様の結果が得られている。これまでの実験結果は、金属原子の場合はナノメッシュ中に埋め込まれる可能性が高く、半導体原子の場合はナノメッシュのエッジ部に吸着する可能性が高いことを示唆している。
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Research Products
(4 results)