2011 Fiscal Year Annual Research Report
配列ナノ空間における特異な物性の解明と高機能デバイス開発における振電効果の役割
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
22013017
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
加藤 貴 長崎総合科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10399214)
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Keywords | ピセン / 超伝導性 / 電子-フォノン相互作用 / ポリフェナセン / オームの法則 / 反磁性超電流 / トンネル効果 / 電流-電圧特性 |
Research Abstract |
1.最近、発見されたピセン超伝導体の電子構造等の解説を行なった。また最近、超伝導性が発見されたpiceneアニオンの電子-フォノン相互作用結合定数を見積もり、超伝導性の考察をした。piceneアニオンの超伝導性は電子-フォノン相互作用で説明できることを示した。日本経済新聞2011年11月7日朝刊の11頁に「液体窒素で超伝導に:長崎総合科学大 有機物、計算で導く」という見出しで研究内容が紹介された。また本年度の研究成果が引き金となり、本研究代表者の2002年のJ.Chem.Phys.の論文が世界中に広く認知されるようになり、ここ半年間で、非常に高い被引用回数となった。なお、そのうちの2編はnatureの論文に最後のまとめとして長い文章で引用されていて、我々の研究が、高温超伝導実現に大きな指針を与える事が示されている。 2.TTF-TCNQ分子性結晶固体など、分数電荷を持つインコメンシュレート系において、正確に電子-フォノン相互作用を見積もる計算方法を世界で初めて開発した。我々の計算結果はPaulisusceptibility等から得られる実験結果と非常に良い一致を示し、計算方法の妥当性を示した。 3.電子-フォノン相互作用の強さが、ドープ量とどのように関係しているかを考察した。閉殻電子系から、0.71~0.86の分数電荷だけドープされた分子性結晶固体において、電子-フォノン相互作用が非常に強くなる事を示した。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Metal-intercalated aromatic hydrocarbons : a new class of carbon-based superconductors2011
Author(s)
Y.Kubozono, H.Mitamura, X.Lee, X.He, Y.Yamanari, Y.Takahashi, Y.Suzuki, Y.Kaji, R.Eguchi, K.Akaike, T.Kambe, H.Okamoto, A.Fujiwara, Takashi Kato, T.Kosugi, H.Aoki
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Journal Title
Phys.Chem.Chem.Phys.
Volume: 13
Pages: 16476-16493
DOI
Peer Reviewed
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