2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体シリコンクラスレートの探索
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
22013019
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
今井 基晴 独立行政法人物質・材料研究機構, 半導体材料センター, 主席研究員 (90354159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜殿 治彦 茨城大学, 工学部, 准教授 (10282279)
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Keywords | クラスレート / シリコン / シリサイド / 半導体 |
Research Abstract |
持続可能な社会発展のためには、太陽光発電を可能にする太陽電池や廃熱を利用して発電ができる熱電変換素子が必要である。更にこれらの材料は地球上における埋蔵量が比較的多い元素、ユビキタス元素、から構成されることが理想的である。このような材料の候補の一つとして、ユビキタス元素Si(地殻埋蔵量第1位)を主な構成元素とする化合物であり、金属を内包する籠状ネットワークSi_<20>、si_<24>をモチーフとする配列ナノ空間物質siクラスレート(包接化合物)M_8si_<46>が考えられる。siクラスレートは太陽電池材料、熱電変換材料として有望視されているが、従来合成されてきたSiクラスレートは金属であり、これらの用途には適さなかった。本研究課題では、二元系アルカリ金属SiクラスレートK_8Si_<46>の8個のSi原子を13族元素Ga原子に置換することによって半導体Siクラスレートを合成することを提案している。本年度は、K_8Ga_8Si_<38>を原料元素をAr雰囲気下で加熱し直接反応させることにより合成した。Arガス雰囲気中でKとGaとSiの混合物(モル比K:Ga:Si=8:8:38)を秤量し、それらをTa管に封入し、更にTa管をAr中で石英管に封入する。それを電気炉で1200K程度まで加熱し3時間保持し反応させた後に徐冷した。合成された試料はK_8Ga_8Si_<38>であることがX線回折法によって確認された。更に、第一原理計算により、Si_<46>、M_8Si_<38>Ga_8(M=Na, K, Rb, Cs)のバンド構造を計算した。Si_<46>は直接遷移型半導体であるが、M_8Si_<38>Ga_8は間接遷移型半導体であり、エネルギーギャップの値は結晶Siのそれよりも-0.20~0.24eV大きいことを示した。バンドギャップはアルカリ金属の原子番号が大きくなるにしたがって増加した。また、GaのAl、In置換効果についても調べた。 また、関連物質BaSi_2、Sr_<1-X>Ba_XSi_2の合成・物性評価も行った。
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Research Products
(8 results)