2010 Fiscal Year Annual Research Report
希土類ホウ素クラスター化合物における伝導機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
22013020
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
森 孝雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクロニクス研究拠点, MANA研究者 (90354430)
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Keywords | 熱電材料 / ボロンカーバイド / 伝導機構 / 熱電変換材料 |
Research Abstract |
本研究では、特異なn型を示す化合物群RB_<17>CN,RB_<22>C_2N,RB_<28.5>C4(R=希土類元素)において、熱電材料としての研究開発において伝導機構の解明をとおして物性制御原理を明らかにすることが目的である。これらのn型化合物群は長年求められていたボロンカーバイドのカウンターパートと成り得る。ボロンカーバイドは優れたp型熱電的性質を示し、実際熱電材料として製品化された数少ない化合物であるので、良好なn型、p型材料を共に提供し得るこの研究のインパクトは大きい。 本年度では、当該希土類ホウ素クラスター化合物の代表的なものとして、YB_<22>C_2Nについて、熱電的性質の制御と伝導機構の解明を目指して、クラスター間隙のナノ空間に遷移金属原子を挿入して、その効果を調べた。その結果、熱電性能の大幅な向上につなげることができた。また、同時に添加物を含有する時の合成に関わるプロセスをも明らかにすることが出来た。これらの成果はそれぞれ論文発表した。 派生する成果として、合成によって新規な金属ホウ素化合物を得ることが出来、その新規化合物の構造解明も行って、論文発表を行った。今後はこの新規化合物の熱電的性質なども調べる予定である。 一方で、物性解明研究をとおして、希土類ホウ素クラスター化合物における特異なn型特性の起源として、特徴的な2次元面構造が物性に大きな作用を及ぼしていることも明らかになってきており、次年度で更に研究解明を進める。
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