2011 Fiscal Year Annual Research Report
希土類ホウ素クラスター化合物における伝導機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
22013020
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
森 孝雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, グループリーダー (90354430)
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Keywords | 熱電材料 / ボロンカーバイド / 伝導機構 |
Research Abstract |
本研究では、特異なn型を示す化合物群RB17CN,RB22C2N,RB28.5C4(R=希土類元素)において、熱電材料としての研究開発において伝導機構の解明をとおして物性制御原理を明らかにすることが目的である。これらのn型化合物群は長年求められていたボロンカーバイドのカウンターパートと成り得る。ボロンカーバイドは優れたp型熱電的性質を示し、実際熱電材料として製品化された数少ない化合物であるので、良好なn型、p型材料を共に提供し得るこの研究のインパクトは大きい。 本年度では、当該希土類ホウ素クラスター化合物の代表的なものとして、YB22C2Nについて、熱電的性質の制御と伝導機構の解明を目指して、ホウ素と炭素の置換ドーピングを系統的に進めて、その効果を調べた。その結果、まず、この化合物のhomogeneity regionを明らかにして、ボロンカーバイドに比べて領域が小さいことが分かった。置換ドープの結果、B/Cを小さくする方向が、熱電性能の向上につなげることを明らかにした。伝導機構としては、電子ドーピングが効果的であることが分かった。この成果は論文投稿している。 派生する成果として、添加物による熱電的性質の劇的変化について、結晶構造変化を解明し、上記のn型化合物群と同様にホモロガスな別の系について物性解明を行った。これらの成果について論文発表を行った。 一方で、希土類ホウ素化合物における物性解明研究において、2次元面構造において、欠陥が物性にきわめて大きな作用を及ぼしていることを明解に解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目的とする化合物について、伝導機構について、ボロンカーバイドと異なり、電子ドーピングが有効であることを解明した。 また、ドーピングや物性解明研究から派生した成果が予想以上のものであり、論文や学会発表が数多く出た。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は本年度が最終年で良い成果を得て終了した。 今後は本研究で得られたドーピング効果などの知見を活かして、新規な高性能熱電材料を研究開発したい。
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Research Products
(12 results)