2010 Fiscal Year Annual Research Report
フラストレートした磁性体におけるベリー位相とその展開
Publicly Offered Research
Project Area | Novel States of Matter Induced by Frustration |
Project/Area Number |
22014002
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
初貝 安弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80218495)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 勲 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任助教 (20422339)
濱本 雄治 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (30584734)
|
Keywords | フラストレーション / スピン液体 / ベリー位相 / トポロジカル秩序 / Z_2ベリー位相 / パイロクロア / ダイマー / エネルギーギャップ |
Research Abstract |
フラストレートしたスピン液体相の対称性の破れによらない分類、特徴付けをめざし、トポロジカル秩序、より広くは量子秩序の概念を用いた研究を行った。本研究においては幾何学的位相に基づくある種の秩序変数の類似物としての量子化ベリー位相を主に用いた研究を行う。そこでは系の励起に有限のエネルギーギャップが存在すること、並びに時間反転対称性が重要である。局所的スピンひねりによるベリー位相をもって量子的局所秩序変数とするとき、系に時間反転対称性があるとベリー位相は0またはπに量子化する。このベリー位相の量子化値をもって局所的に特徴づけるわけである。これは量子系固有の量であり、古典的対応物を持たない。そのため、通常の相の理論としては明確な区別な困難な相に対しても有効な相分類が行えることとなる。本年度は、上記の各概念の一層の発展を図るとともに、これらをより広範囲なフラストレートしたスピン系における「スピン液体相」に対して適用し、各スピン液体相のより深い理解とフラストレーション起源の量子相転移の記述を目指す研究を行った。 特に2次元直交ダイマー系、2次元パイロクロア格子におけるギャップを持つ量子液体相に対してこの方法を適用し新しい知見を得るとともに、ベリー位相の方法を時間反転対称な系に適用するための理論的枠組みの構築を行った。またより一般にベリー位相のZ_Q量子化の理論に関しても新しい理論を作った。これは一般のフラストレート系において極めて有用な量子的物理量と考えられる。
|
Research Products
(33 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Chiral Symmetry in Graphene2010
Author(s)
Y.Hatsugai, T.Kawarabayashi, T.Morimoto, H.Aoki (presented by Kawarabayashi)
Organizer
Graphene Week 2010
Place of Presentation
College Park, Maryland, USA
Year and Date
2010-04-21
-
-