2010 Fiscal Year Annual Research Report
カゴメ格子反強磁性体における新奇な異常量子現象の理論的・数値的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Novel States of Matter Induced by Frustration |
Project/Area Number |
22014012
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂井 徹 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (60235116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 博生 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (00343418)
礒田 誠 香川大学, 教育学部, 教授 (10184590)
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Keywords | カゴメ格子反強磁性体 / スピンギャップ / フラストレーション / 磁化過程 / 量子相転移 |
Research Abstract |
カゴメ格子反強磁性体の理論模型に対して、数値的厳密対角化を適用し、絶対零度における磁化過程と、比熱の温度依存性について解析した結果、以下のような性質が判明した。 (1)これまで3分の1磁化プラトーと考えられていた磁化過程の量子相転移が、実は全く新しい現象であることを見出し磁化ランプと名付けた。その性質を示す: ・磁化曲線のプラトーは存在せず、唯一つの臨界磁場でおきる量子相転移である。 ・低磁場側では、一次元スピン液体と同様、微分磁化が発散する。 ・高磁場側では、微分磁化がゼロになる。 (2)ゼロ磁場におけるスピンギャップは存在しない。 (3)ハイゼンベルグ模型の相互作用項をXY項とイジング項にわけてかんがえるとき、比熱のダブルピークのうちの低温側はXY項が、高温側はイジング項が支配することがわかった
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Research Products
(13 results)