2010 Fiscal Year Annual Research Report
格子不整の結晶化学による機能性酸窒化物の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Nano Materials Science for Atomic Scale Modification |
Project/Area Number |
22015001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 信一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10127219)
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Keywords | 金属酸窒化物 / 誘電体 / 超伝導体 / 中性子線回折 |
Research Abstract |
金属酸窒化物は酸化物および窒化物イオンの双方を含むところから、金属酸化物および窒化物のそれぞれの長所を併せ持つ新素材として期待されている。白色LED用の酸窒化物蛍光体が窒化物イオンによる共有結合性に由来する安定化した電子状態からの遷移に伴う可視光発光によって注目されている。我々は酸化物および窒化物イオンが共存する酸窒化物中で、両イオンの相対的な配列によって現れる特異な特徴的な現象に着目している。 極めて大きな誘電率をもつ酸窒化物ペロブスカイトSrTaO_2N、および我々が発見したMg,Al,Siでそれぞれ陽イオン置換した岩塩型Nb(N,0)超伝導体について、中性子線回折によって明らかになった軽元素の変位と物性の関係を明らかにすることができた。 (1)SrTaO_2Nでは単位格子がI4/mcmであり、Taに配位する陰イオンサイトには頂点の4aと8hの2種類がある。中性子線回折によると、窒化物イオンによる占有率は4aサイトでは1/2、8hでは1/4であり、Ta周りの配位多面体はシス型TaO_4N_2であることが明らかになった。また4aサイトの異方性変位パラメータU_<11>とU_<22>が異常に大きく、これらが大きな誘電率を発生していると考えられた。(2)(Nb_<0.89>Al_<0.11>)(N_<0.84>O_<0.16>)はTc=17.3Kの超伝導体であった。今年度にはAlの代わりに、MgおよびSiがNbとともに共存する岩塩型構造の酸窒化物(Nb_<0.95>Mg_<0.05>)(N_<0.92>O_<0.08>)および(Nb_<0.87>Si_<0.09>□_<0.04>)(N_<0.87>O_<0.13>)を合成し、Tc=17.6Kおよび16.2Kの新超伝導体であることを見出した。Si系の生成物について中性子線回折法で結晶構造を精密化すると、Si位置の変位パラメータが大きく、正規位置の6配位から4配位位置に向けてやや変位していると考えられた。この結晶構造の乱れが、超伝導転移温度の低下につながった可能性がある。
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[Journal Article] Silver delafossite nitride, AgTaN_2?2011
Author(s)
A.Miura, M.Lowe, B.M.Leonard, C.V.Subban, Y.Masubuchi, S.Kikkawa, R.Dronskowski, R.G.Henning, H.D.Abruna, F.J.DiSalvo
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Journal Title
Journal of Solid State Chemistry
Volume: 184
Pages: 7-11
Peer Reviewed
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